12/09/2006

Dec 2006

やらねばならぬことが師走に毎年やってくる。
今年のMOT(車検)は厳しかった。タイヤ磨耗で2本交換、連結棒交
換?その他諸々、何の事やらようわからんが600ポンド也。こういう
のって no option、是非もなし。カード渡して高いなあとそっと囁
いてみたら、車が古いと金がかかるのだと店主にだみ声で説かれた。
へいへい。しかし今年は歯医者だ何だと出費が重なった。そうか僕
自身が古くなってきたということか。
TAX Disk の購買も毎年12月なのだが、これはInternet経由で購買、
郵送で送ってくれるようになった。DVLAから送ってくる書類に印刷
されたパスワードみたいのを入力すると、勝手にMOTと保険が完備さ
れているか確認して、クレジットカードで決済、郵送してくれる。
この時期、街の郵便局ではドアの外まで人のキューが続いているの
で、ありがたい。しかし、あちこちに保存されている個人情報が、
目的限定とはいえ公開され始めているのがわかる。上の例では確実
に個人に恩恵をもたらしてくれるが、反面怖さもある。個人データ
ベースの結びつきという進化が、悪い事は出来ない、という方だけ
に向かうのは構わないが、万一それら情報が一般Internetに流れた
ら、その削除は既に不可能に近い。過去、インターネット・メール
というものが実に脆い仕様のまま、一気に普及してしまった結果、
スパムのような迷惑メールや、なりすましメールが現在世界中で氾
濫している。何事も進化の過程では利便性が先行しがちなのであろ
うが、個人情報に関しては過去の段取りの拙さを十分勉強し、知恵
を絞って陋見なシステムを作るか、またはシステム化を諦めるべき
である。
当社では毎年12月、ITセキュリティーの外部監査が入る。課題は多
いものの、今年もなんとか合格のサインを頂いた。
Xmasカードへサインする、というなかなか手間のかかる作業がある。
先週は日曜返上しサイン会とした。千枚超えたら印刷で勘弁してい
ただこうと思うが、そこまで組織は大きくない。組織を大きくでき
ていない罰として、ここ数年は週末にサインしながら新顧客獲得の
戦略を練るべきだろう。
この時期には忘年会が何度か開催されるが、年々きつくなってくる。
過去には普通に飲んでいても、そうそう他人様に迷惑をかけること
は無かったと思うが、最近は量を抑えないとまずいことになりつつ
ある。ワイングラスの隣に炭酸水のグラスを置いてみたりしている
が、効果は知れたもので、やはり酒量を抑えるしかない。戦略とし
ては、特に最初の1時間に飲む量を半分にしようと思う。ゆったり
と飲むことを覚えるべき歳なのだ。内臓も古くなっているのだ。
ありがたいことに、今夜はお客様のXmasパーティーご招待いただい
ている。苦い思いがあるので、仕事から戻ってすぐに、ディナージャ
ケット、シャツ、タイの目視検査・指差し確認を実施した。と、ま
た不具合が見つかった。シャツの首のボタンがどこぞに飛んでいる
ではないか。どうも僕の black tie には何度もケチがつくなあと思
いつつ裁縫セットを探したらベッドの下からようやく出てきた。ア
メンドは普段、洗濯屋に任せているが、そんな時間は無し。はて、
どうやってボタンというのは縫い付けるのかと一瞬考えたが、さい
わい手が覚えていた。子供の頃に体で覚えたものは意外と忘れない
もんだなあと感心した。
最初の1時間に半分、半分、半分、、、そろそろ出かけるとしよう。

12/03/2006

WM5

たまに電気屋らしい話題を。ロンドンでもビジネスマン・ウーマン
が電車で携帯端末(携帯電話ではなく)でメールを読んだり書いた
りしている風景があたりまえになってきた。BlackBerryがまずは
USAで成功し、ちょっとのタイムラグでUKに浸透してきた。携帯電
話に比してサイズの大きなこの端末がなぜ欧米で受けるか。その鍵
は文字通りキーにあったと思う。タッチタイプをマスターしていな
い欧米人も沢山いるが、2百年程我々よりタイピングの経験が長い
だけ、キーボード叩き慣れは彼らのDNAにそろそろ記録されている
だろう。
携帯端末のお勉強をちょいと開始したのが今年の春。いや、なにも
携帯端末を販売して儲けようということではなく(これは数千単位
でようやくまともな商売になる)、動向調査及び頭のお遊びである。
結果、当社企画が今一番面白い・将来伸びる、と思っているのは
Windows Mobile 5 (以下WM5) というMicrosoft社の開発した携帯
端末用のオペレーティング・システム(OS)である。ベースが
Windows なので、オフィスのPCやIT環境と透過性が高い。メールは
勿論、WordやExcelを読んだり変更したりすることが出来る。
Outlookのアドレス帳やスケジュールとUSBケーブル経由で同期をと
ることも出来る。ほんとに便利。
このOSを装備した携帯端末ハードウェアは色々あれど、現時点では
台湾ベースのHTCという会社がもっとも元気良く開発を進めている。
殆どOEMなので、一般ユーザーは聞いたことが無いかもしれないが、
VodafoneやT-Mobile等にどんどん OEM提供しており破竹の勢いであ
る。こうした端末は、本来日本メーカーのお家芸なのだろうが、携
帯電話によるメールが世界一進んでしまったものだから、意外と
Windows Mobileのような携帯端末の開発は遅れている。シャープが
漸くウィルコム用の WM5端末を販売したのが今年の夏だった。
僕のWM5端末は既に2代目。初代は画面が大きくて見やすかったが、
あまりのサイズの大きさに疲れて誰かに譲ってしまった。現在の2
代目もまだ厚さがあるが、ベルトにケースで引っ掛けて持ち歩くぶ
んには全く気にならない程度まで軽くなった。日帰りや1,2泊の
出張には、モバイルPCを持参しないようになったのは大いに楽で
ある。メールは日本語でも読める(要追加ソフト)。書くことはし
ない。読んで必要があれば、そのまま電話すりゃ良いのだ。この分
野はハード・ソフトとも進化のスピードが激しいので目がはなせな
い。
WM5端末買ったものの、日本語化等でお困りの方はこちらまでご相
談を(ちゃっかり宣伝)。

11/25/2006

今朝は目覚めたら重い二日酔いの11時だった。昨夜はNYからの
友人を10名程で歓迎接待し、その後2次会に行ったことは覚えて
いる。Dover Street にある、その名も Dover Street Restaurant
というクラブに至るまでの経緯は実はよく覚えていないが、昔々何
度か行ったことがあった。もうつぶれているかもしれない、なんて
ことは酔っ払いには通用せず、とにかく勢いでTaxiに分乗し
Dover Streetにて待ち合わせ。分乗とはいえ、酔い加減にみな恐れ
をなしていたのだろうか、しんがりの僕はなぜか一人でさびしく
Taxiに乗っていた。店はちゃんとあった。車を止めて皆を集め入場
料を支払うと、すでにライブの音楽が聞こえてきた。ソウルではな
いかいな。
いやー、ライブのソウル、もうたまらん。バーマンの人数が少なく
てドリンクなかなか手に入らない。既に夜は更けすぎていて、結局
3曲程でバンドは終わってしまったが、久しぶりのライブとダンス、
15分ほどソウルにノリまくることが叶った。
こんな場には、もう同年代の友人とは行けないのが悲しい。昨日は
テニス仲間が主な集まりで、僕を除けばみな若い。テニスというの
は夜中でもありがたいのだ。家に着いたら3時だった。
さて、今週もミラノに出張があった。このプロジェクトも大詰めと
なり12月中旬には終了の予定。そういえば今年もあっというまに
師走入りだ。この1年間、僕の仕事には何点あげられるだろうかと
思うと、あまり良い点数はでてこない。多少売上げが増えたようだ
が、予想外からのものであり、もともとターゲットにしたマーケッ
トからのものは極少ない。この課題はもう2年続いており、いい加
減にしないと停滞感で社員のやる気が腐っちゃう。知恵を出さねば。
ミラノではまた蚊に2箇所やられた。いや、実はこの解釈でもめて
いる。こんな冬に蚊がいるはずがないという説、ダニだという説、
シーフード食べたのでアレルギーやら、諸説入り乱れているが、僕
は蚊だと思っている。まだ痒い。女性にはだめだが、どうも僕は蚊
には良くモテる。アムステルダムなんぞに行けば、必ず数箇所刺さ
れて帰ってくる。なにか良い対抗策、誰蚊ご存知でしたら教えてつ
かあさい。

11/18/2006

V

昼飯のテイクアウェイを買うのにキューに並んだ。偶然前のカップ
ルが日本人だった。旅の人っぽくオーダーするのに苦戦しつつもな
んとか通じていた、がんばれ。最後にコーヒーを二つ注文していた
が、片方がブラックで片方がホワイトで計2個というのがなかなか
通じなかった。そろそろやばいかなあと思い始めた、出しちゃいか
ん、いかんぞ。そして店員が、計2つですねと聞いたその刹那、彼
氏からスッとVサインが自然に、そしてやはり甲が店員に向かって
登場してしまった。写真にうつるときはピースで手のひらが自然に
向こうに向くのに、数を表すときは、半数以上の方は甲が向こうに
向いてしまうように思う。僕もそうだったので、それは人様を侮辱
するときに使うものだと教えてもらった時には驚いた。
友人とCityのパブで飲んだ後、Waterlooまで一緒の電車で帰って駅
の階段を上がっていたら、おいYosh、バタバタ音たてちゃ駄目じゃ
ないか、階段はつま先で上るんもんだと親に教えてもらってないの
か、ときた。
(普通の)男同士が体を触れ合うのは握手しかない。親愛をこめて
肩を叩いたり揉んだりすると、あとであいつはホ*か真顔で聞かれ
る。レストランで全員のプレートが揃うまで待てとか、給仕の目を
見てサンキューと言えとか、こうしたルールというか慣習というか、
もっと一括りに言うと文化というのは、異国人とっては教えてもら
わないと気付けないことが多い。俺は異国人なんだと無視するオプ
ションもあるかもしれないが、少なくとも他人に不快感を与えるこ
とは避けるべきであり、最低線は郷に従うべきであろう。
逆に、君ら親に教えてもらっていないのかと言いたくなることも多
々ある。電車で自然に席を譲る優雅さを持つ割には、乗り込む時に
は全く正反対。多くの乗客が降りようとしているドア付近に陣取っ
た不動明王。君は墓場まで新聞持って行く気か、こんなに混んでる
んだから我慢しろよ。僕の場合、朝の通勤電車に乗るという行為は
週に10回(含む乗換え)発生する。東京はストレスフルな通勤で
国際的に有名だが、僕はロンドンの方が実は酷いと思う。
こうした事例を英国人の友人に示すと、ほとんどが同意して理解を
示してくれる。そして僕も、階段はつま先で上ったほうがベターだ
と自然に理解する。互いに気付けなかっただけの事であり、教えて
もらえばすとんと腑に落ちることが多々存在する。
教育なんだと思う。文化的ハーフ人は天に与えられたなにかの縁が
あってそうなった。難しいことはできないが、文化の枠を超えて世
界的に不快感を減少せしめ、より住みやすくするという草の根程度
の行動に出る義務を負っているのかもしれない。これだけ広まった
インターネットという文明は、超文化教育のひとつのキーになるだ
ろう。

11/11/2006

売上げ倍増計画 2

いやはやインターネットというの有難いもので、プライベート・ス
タイリストが現れた。本当です。素敵なお姉さんが僕のショッピン
グに2時間お付き合してくれた。というか僕が彼女の後ろをちょろ
ちょろついていったというのが実情だが。前述したが、そもそもシ
ョッピングは大の苦手、一人でスーツを買ったりするの実に苦痛だ
ったが、素敵なお姉さんと一緒となると楽しささえ感じるんだなあ
これが。
初冬のコート目当てだったが、こんな機会は死ぬまでに何度もない
とだろうと思い、結局スーツ2着、シャツ数枚、タイ数個を選んで
もらった。一着目のスーツはダークなもので青系のストライプ、こ
れはすんなりとOKした。問題は2着目、お姉さんの選択は薄い薄
いグレーのチェック、しかも5cmおきに赤というかピンクというか
細いストライプが入ったもの。そして店員のお洒落なオジサンも一
緒になってコーディネートに汗かいてくれた結果、ピンクのシャツ
とピンクのタイを合わせた。ひゃあ、これ吉田のオッサンが本当に
着るの?
試着してみた。股上が短い。そういうデザインなんだという。街で
見かける若い女の子のへそ下まで出したジーンズをはいた気分でど
うも違和感が強い。こまった。しかし、お姉さんも店員さんも口を
揃えて、良い良い言う。このぐらい挑戦しなさいと言う。言うか、
そうか、受けて立とうじゃねえか、OKだした。
2週間後、アメンドが終わって取りに行った。自宅に戻ってあれこ
れ眺めていたが、どうしても例の2着目は臆してしまう。このピン
ク・セットをいきなり着て仕事に行ったら社員は卒倒し仕事になら
ず、お客さんは契約解除に走るだろう。そこで経営者の癖で早速ロ
ジカルな作戦を練って行動に出た。
1. 新ダークスーツに旧白シャツそして新ピンク・タイで序盤戦の
様子を伺う。
-> 誰も卒倒せず、コメント皆無。よしよし。
2. 新ダークスーツに新ピンクシャツそして旧赤系のタイでジャブ。
-> この新ピンクあまり薄くないというか結構まぶしいので、お
客さんの視線が胸に来るのを数回感じたが契約は続いた。社
員ではT課長だけが、濃いピンクですね~とコメントした。
3. 新薄グレースーツに旧白シャツ、新ピンクタイでそろそろしめ
にかかる
-> T課長がみるや、吉田さんものすごいスーツきてますねときた。
でもいいチェックですね、とも言ってくれた。
4. 総仕上げ。新ピンク・セット。
-> 反応なし。作戦成功したかもしれない。夜、リボンで飯くって
たらじゅんこさんが、吉田さんはいつも素敵ですねえと言っ
てくれた。いや2週間前からちっとは素敵になったんです、
と正直に顛末を説明した。そしたら色々更にアドバイスして
くれた。女性はかくも細かく見ているんだなあと感心した。
なにを馬鹿なことに時間割いているんだとのお叱りが聞こえてくる
が、このあたりは僕は実に保守的というか小心者であり、このプチ
改革にご協力してくれたK嬢とAquascutumの親切なおじさんの挑戦
に深謝。

11/04/2006

Janglish

日系企業かと聞かれると、はっきりした答えができずに窮する。日
本人社員が6割、取締役は3/4が日本人なので、日系といえばそうな
のだろうか。しかし日本に大株主(親会社のような)がいるかとい
うと、そうではない。8割以上は英国内の資本で作られた普通の会
社組織なので、僕としては実は純英国企業だと思っているが、単に
それが理由で仕事がもらえなくなるのも癪なので、日系のお客様に
はハーフぐらいにしてお伝えしている。嘘にはならないと思う。
英国人の新入社員などに、あなたはなに人かと聞かれると、こちら
もちょっと答えに窮する。無論日本人である。だけれども、社会人
としての期間でいうと、圧倒的に英国での生活が長く、日本での一
般的な仕事の仕方は忘れてしまっているかもしれない。税金も日本
政府には一切払っておらず、英国には十数年間あきれるぐらい払い
続けてきた。西洋かぶれなのだろうかと自問しても、どうもこの言
葉自体、インターネット時代の人たちを説明するには古すぎて使い
物にならないように思う。こちらもハーフぐらいに感じている。
生まれたときは純日本人で、オッサンになってからハーフというの
はなかなかおかしい。無論外面的なことではなく、考え方とか動き
方に自然に出るあたりのことである。
ビジネス等に代表される文明というものは、すでにボーダーレス。
多国籍企業なんて単語はもうすぐ死語になるだろう。そんなこと言
ったらこの極小当社でさえ多国籍企業だ。一般人でも世界中のオン
ライン・ショップから、クレジットカードで購買が可能になった。
他方、人というのは、自分と限られた仲間が持っている固有なもの
に包まれることに大きな安心感を持ちこれを死守する。これが文化
と呼ばれるらしい。文明がどんどんボーダーレスで世界的に共通し
て広がると同時に、文化はどんどん研ぎ澄まされて鋭くなっていく
のかもしれない。そしていまどきの言葉でいうと切れたときに戦争
やテロが発生する。
オッサン(オバサン)・ハーフの効用は、このあたりのバランス感
覚に表れるかもしれない。彼・彼女らは、複数の文化を心の中に維
持することに、さほど抵抗を覚えないだろう。お叱り覚悟で言って
しまえば、割といい加減な性格の人が多いかもしれない。いい加減
なので、あれは嫌、これは駄目、という判断すら面倒、とりあえず、
まあいいじゃねえか、ということで全部取り込んでしまう。そんな
ことをしているうちに、一方の文化が頭の中で暴走しそうになると、
他方の文化がそれを適度に抑制する回路が形成されるのかもしれな
い。現地の友人ができやすいのも効用のひとつ。
ところで、僕が不思議に思っていることに、日本語がぺらぺらの英
国人が現れたときのことがある。これはどうにも説明がつかないの
だが、相手が日本語めちゃくちゃ巧く、日本語で話し始めて全く会
話も楽しいのだが、次第に時間がたってくるとどうしてもこう、首
根っこがぬるっとしてきて、駄目なんだなあ。なので、結局、相手
には気の毒なのだが、最後は下手な英語で無理やり喋っている。こ
れはどういう現象なのだろうか、どうにも分からん。アジア顔が英
語喋っているのは自然なんだけど、英国顔がアジア語を話している
のがどうにも2006年の時点では珍しすぎということなのだろうか、
単に慣れの問題なのだろうか。誰か説明してやってつかあさい。

10/29/2006

Heathrow

好きなロンドンの風景の一つに夜間飛行がある。大陸あたりに出張
し、帰りのフライトで快い疲労感をワインで癒し、日のとっぷり暮
れたロンドン上空に差し掛かると、あの落ち着いたアンバー色の街
灯が次第に眼下に広がりはじめる。皆仕事で疲れているのだろうか、
夜更けのフライトはいたって静謐で落ち着いている。
あの優しいアンバー色は、十数年前、初めてロンドンに到着したと
きも迎えてくれた。
その日は、はでな嵐だった。風が強すぎてなかなか着陸できず、ヒー
スロー上空で1時間半程旋回していたが、飛行機は揺れに揺れ、女
性の悲鳴さえ聞こえてきた。僕もさすがに気持ち良いわけがなく、
英語も全くできなかったので、手に汗かいてどうなるかと不安だっ
た。なにかアナウンスが入って、ようやく降下が始まった。それま
で真っ暗だった眼下に一瞬アンバー色が広がった。
このとき アンバー色 = 落着き という図が僕のなかで出来上がっ
たのかもしれない。アンバーが広がってくると、自然とリラックス
した気持ちになって、家に戻る安堵感に包まれる。
そしてブラックキャブを拾って家路に着くのもまた良い。彼らは接
客のプロも多く(酷いのも中にはいるが)、口数はこちらに絶妙に
合わせてくれるドライバーが多い。
色々不便もあるけど、なんだかんだ言って英国というのは実に良い
国だと思うし、すでに故郷である。

10/21/2006

Productivity

パソコンのキーボードを人差し指だけで打っている方へ、以下余計
なお世話。
ブラインド・タイプというのは和製英語だそうで、タッチ・タイプ、
タッチ・タイピストというのが正しいらしいですが、要はキーボー
ドに視線を落とすこと無しに、画面をじっと見ながら高速でタイプ
する技でございます。
タッチタイプがどうして優れているか:
- タイピングが一気に速くなり、楽しさすら感じる。
- 手書きするより速く、思考スピードを邪魔される度合いが低くな
る。特に英語の文章を構成している時に顕著。
- Cool。特にIT関連で飯を食っている人にはプロらしさが一段と加
わる。
ちょいと試算。いったい一生に何回キーを叩くでしょうか。例えば
このblog をざっと測ると日本語で2,000文字。日本語なので一文字
に2回キーを叩くとして4,000回。これを毎日続けると、4,000 x
360 =約1,500,000。これを30年続けると45,000,000。一秒に2文字打
つと仮定すると、22,500,000秒で、約徹夜260日分となります。秘書
やジャーナリスト等の場合、商売柄この5倍10倍、いやもっと沢山の
文字を打つでしょう。実にタイピングに数年分以上の長い時間を費
やすことになります、彼女・彼らは一秒に4から6文字を簡単に打ち
ます。相当な時間の節約ができることがわかります。自分が今、ど
れ程のスピードでタイピングできるか、早速測ってみましょう。例
えば:
http://www.typeonline.co.uk/typingspeed.php
wpmとは word per minute で、1 word は5文字で計算します。 2回
やってみました。47wpmと59wpmとでました。一秒に4, 5文字という
結果です。
タッチタイプを練習し始めると、一時的にタイピングが遅くなりま
すので、一ヶ月だけイライラが続きます。ここを我慢できるかそう
でないかが、天下の分かれ目。いまどきですと、様々な練習ソフト
ウェアが発売されています。楽しみながら練習できるようになって
いますので、これで一ヶ月間続け、さらに昼間仕事でキー打つとき
も、きちん教えに沿って辛抱します。
最初は手を定位置に置くことから始まります。これが実に苦痛に感
じますが、我慢我慢。左手の人差し指がF、右手のがJに位置しま
す。FとJのキーだけに突起が付いているのはこのためです。この
位置から手は動くのはせいぜい2センチ程度。あとは指の運動のみで
す。
次に徐々に各キーの位置を手が覚えるようになります。車でいうと、
クラッチとギアの関係みたいなもんで、教習所時代は頭で考えるで
しょうが、路上に出るころにはいちいち頭で考えていませんね。
もう少し上達すると、こんどは手が単語を覚えます。こうなればタ
イピングが楽しく感じてきます。例えば、 confirmation,
suggestion, investigation なんて長めのものでも手が覚えてくれ
ます。タッチタイピストは、confirmationを、一文字づつc, o, n,
f, というように文字のキーの位置を意識しているわけでは全く無く、
単語単位でその運指を体で覚えます。
このレベルまで来ると、思考を書きとめるというどうしても必要な
作業が、思考のスピードをあまり邪魔しなくなります。こうなれば
しめたもので、僕がなぜtouch typeを強くお勧めするのか実感し感
謝することになるでしょう。早速、ビール一杯奢ってください。
---
20数年前の日本、個人のパソコンが電話回線・モデムでネットワー
ク接続され始めました。パソコン通信の創成期です。勿論インター
ネットというものは存在しておらず、先進のIT企業がホスト・コン
ピューターを提供し、パソコン通信の実験を始めました。一番人気
のあった(株)アスキーの場合、当時モデムが50台程度設備され
ていました。全国のパソコンオタクから電話がかかってきますが、
50人しか同時にネットにアクセスできないという、今では信じられ
ない時代でした。
僕も300bpsのモデムを入手して参加しました。皆さんのADSLが仮に
2Mbpsだとすると、実に1/7,000の超スロースピードですが、これが
最高スピードだったのです。当時こんな遊びをしていたのはコンピ
ューターのプロか、オタク。パソコンの画面上で知り合って仲良く
なったものの、お互い会った事が無いという、今では普通のことが、
当時実に不思議な体験でした。オフ会呼ばれる飲み会がたまに開催
され、普段画面上でコミュニケートしている仲間が実際に会ってワ
アワア。僕もちょっと怖いながらしばしば参加していました。いき
なりマント着てくる奴とかも居たなあ。
ある日どこかのオフィスでオフ会があり参加しました。そこにほぼ
歳が近いと思われるお兄さん(当時)がパソコンに向かっていまし
た。ネットで面白い書き込みをする人で旧知(画面上で)でしたが、
画面を見つめたまま物凄いスピードでタイプしていました。Cool!
近寄って彼の運指をみて更に腰を抜かしました。なんとローマ字入
力ではなく、50音で打っているではないか。ひゃあ~
帰路、同行した友人と共に誓いました。そしてひと月後にはお互い
にそこそこのタッチ・タイピストになっていました。なんの難しさ
もなく、一ヶ月だけ一時的に遅くなるイライラを我慢するだけだっ
たのです。キッカケが必要だっただけ。なので、機会があれば社員
や人にお勧めしていますが、今のところ僕に勧められてタッチタイ
ピストになったひとはゼロ。あのお兄さんのような説得性が無いん
だなあ。

10/13/2006

You can't.

マダムの英語ネタblogに触発され、自分の英語力を棚に上げつつ以
下つれづれと。
英語、特にイギリス語の発音というのは子音がきつくて、母音のき
つい日本語ネイティブにはむつかしい。日本の西側で育った方たち
は更に母音がきつい。 例えば、Softbank という偉大な日本企業が
あるが、英国人に発音してもらうと、その美しきこと。当社にもこ
てこての関西人がいるが、この人が発音すると、ソフウトオバンク
ウー。 AS400、というIBMの名機ともいえるコンピューターがあった。
エイエス・ホー・ハンドレッドオ。この、ホーが英国人には伝わら
ない。多分 AS まできたところで、相手はfourを期待しているんだ
ろうけど、その刹那に ho が来るので、言語処理回路がかき乱され
るのであろう。
ちなみにこの彼も、カプチーノを頼んでティーが出てきた経験を持
つ、実に愛すべき明るい性格の持ち主であり、きっと自分で笑いな
がら美味しくティーを啜っていたことと思う。ちなみに、西側には
自己を笑いのネタにして大笑いする明るい人が多く、北海道で育っ
た僕には実に素敵だなあと思うし、いつも真似てみたいと思ってい
る。
渡英して3年程経過したころだろうか、仕事仲間のBob氏に、textの
発音を指摘された。当時僕は テキスツ 程度の発音をしていたよう
に思う。即ち最後の t は、何とかきちんと子音で終えていた。し
かし問題は キ であった。x の発音は i という母音とは無関係で
ある。あくまで x の子音で次の t つながらなければならない。たっ
た4文字の単語だが、この単語で、発生してもよい母音は e だけで
ある。テキスト vs テクスツ。
なるほど日本語でカタカナになっている単語ほど、発音は要注意だ
と気付かされた。他にも、テレフォン vs テリフォン、テープ vs
テイプ等きりがないが、文部省に提案したくなる。エー、ビー、シー、
デー、イー、エフ、ジー♪という歌で小学だか中学でアルファベッ
トを覚えるのがあった、今考えるとこの辺から既に間違いは始まっ
ていた。最近はどうなってんだろう。
さらに、子音のきつい英語発音を相手に伝わるように発音するには、
肺活量というか、より吐く気流をきつく出さないとならないのも、
日本人というか母音のきついネイティブには厳しいところである。
f, p あたり。僕は渡英後16年経っても w がどうにも改良できない
でいる。Where do you live? とか聞くと、今でも必ず pardon? が
返ってくる。誰か教えてください。
脈略なく話を続けるが、今でも恥ずかしくて、忘れたいけど忘れる
ことができないことが渡英6年目にして発生してしまった。can't
の発音である。もうお分かりの方もおられると思うが、まあ聞いて
つかあさい。米語だとキェーントみたいな音になるらしいが、イギ
リス英語だと、”エ”という音にはならない。文字通り”カ”であ
る。もともとこの発音には自信がなかったので、cannot という単
語を使っていたが、さすがに6年も経ったので、カッコつけてそろ
そろ挑戦と思っていた。場所は某日系銀行のお客様のディーリング
フロア構築中のサイトオフィス、相手はEBSという金融ブローカー
相手に商売する企業の英国人女性プロジェクト・マネージャーであっ
た。必要なデータ回線をこの日に導入したいがどうだ、と聞かれ、
そんな悠長な日程ではとても間に合わないと言いたく、"You can't"
と言った(つもりだった)。と、同時に僕の英国人部下2名が腹を
抱えて床を転げ回った。僕は何が起きたのか分からなかった。can't
はカーーントと、カ を伸ばさないと大変なことになります。この
小話はパブリックな場では説明できないので、分からない人にはメー
ルでお答えします;
結構難易度が高いのが、s と sh の違い。人差し指を口に当てて、
静かにしてね、のシーがsh 。吐く気流がしゅるしゅるしている。
これに対して s はスィー、口は横に開いており、shと違って尖っ
てはいない。I see のつもりが I she と発音している日本人は多
い。最近当社に Cissie さんというSweden出身の女性が入社した。
これでまた、大変なことになっている。。。日本人社員集めて、発
音練習会を開こうと思う。

10/08/2006

Memory

去る月曜日、飽きもせずにまた歳をひとつ増やしてしまいました。
この前後になると、いたって平凡な人生なれど少年時代から今にい
たった出来事がつらつらと思い返されます。
僕が紅顔の若き日に最初に入手したパソコンは、Z80というCPU(中
央演算処理装置)を持ったもので、メモリーが128Kbyte、ハードディ
スクは付いていませんでした。今自宅で使っているパソコンは、皆
さんのパソコンとほぼ似たような仕様と思いますが、Pentiumとい
うCPUで、メモリーは1Gbyte, ハードディスクは80Gbyte内蔵されて
います。メモリーの量は、この25年間で実に8,000倍となりました
が、僕の頭脳の記憶装置は1/8,000位に減っているかもしれません。19
歳あたりを境に、頭脳の細胞はどんどん減るらしいですね。いやな
ものです。
昼時、オフィスから徒歩1分のレストランで社員と着席して昼食を
していました。女性客二人が入ってきて、”あら吉田さん、こんに
ちは”。見上げて、”おー、どうもどうも”(ありゃ、またかっ、
どちらの方だっけ・・・)。
結論から言うと、レストランを出るまでに思い出すことができまし
た。そして、はたと気が付きました。仕事関係の方々は、上からお
顔を見た方が思い出しやすい。仕事柄、お客様はオフィスで着席さ
れていて、コレが動かない、アレが昨日までは動いていたのにとい
う状況で、これらを傍に立ってお聞きしながら問題を解決せしめる
のが、僕の重要な仕事の一つでありました。自然、上からお顔を拝
するわけです。実際、レストランを出る時に、着席されていたその
方に”お先に”と歩きながら声を掛けた瞬間に、会社名とお名前が
ばっと出てきたのがおかしみ。
非対称性(asymmetric)という言葉はちと意味が違いますが、犬とか
猫の顔もそうかもしれません。僕は腰が丈夫でなく、年に一度は壊
しますが、必ず左側が問題となります。医者曰く、左の足が右より
大分長いそうです(どちらも短いが、相対的に右がより短いという
言い方もある)。英語で電話で話すとき、必ず左に受話器を持ちま
す。右だと何言っているのか分かりません。日本人相手でも、相手
の声が小さかったり、うるさいパブで会話するときは、顔を右に振っ
て左の耳を向こうに向けています。キーボード打つときは3度ほど
左の肩を引いているかな。
歳を重ねると非対称性がより顕著になるのかもしれません。バラン
ス感覚保っていきたいとは思いますが。