4/29/2007

A Japanese Firm

東京に行ってきた。
帰りの成田エクスプレスでは(えーい、まぎらわしい、日本発ロン
ドン着便)、発車前から寝てしまい、目が覚めたら成田到着の5分
前のアナウンスが丁度放送された。
チェックインをしたところ、満席。席のアサインはゲートで処理し
ますとのこと。ほう。淡い期待をしつつ、いつもの蕎麦屋に向った。
おきまりの中生ビールとたぬきそばで腹ごしらえを済ませ、最後の
タバコを2本ほどやってからゲートに着いたが、無念アップグレー
ドは叶わなかった。
機内に入ると、めちゃくちゃ暑い。機器の故障で地上からのサプラ
イができないからだそうだ。サウナのような機内を席に向うと、あ
れっ、オジサンがすでに座っているではないか。またまた僕は淡い
期待を抱き、お聞きしてみると、やった、ダブルブックだった。通
りがかったスチュワーデスに声をかけた、少々お待ち下さい。通路
に陣取っているのもなんなので、トイレのあたりに身を避け、手際
の悪いやっちゃなあと思いながらひたすら待つこと10分(この間
もサウナ状態)、なんと先ほどのオジサンがすっと僕の前を通って
ビジネスクラスに歩いていった。。。僕の席に行ってみると、スチュ
ワーデスが、大変お待たせしましたと微笑んできた。おいネエチャ
ン、手荷物持って立って待ってたワシを、なんでわざわざ席でくつ
ろいでいたオッサンと取り替えるんにゃ!と言いたかったが、大人
気ないとも思い直し、おとなしく席に着いた。こういうときは決まっ
てそうだが、隣席は超弩級の英国人おじさんなのである。
そして僕はこの航空会社のエアマイル・クラブに17年間メンバー
であり、17年前から、席の好みは通路側に登録しているにも関わ
らず、窓側なのである。映画を好きなときにスタートできるタイプ
のシステムは設備されていない。インターネットは勿論無いし、食
事はいまひとつ。トイレへ立つのに隣のおじさんを2度まで起こさ
ねばならない苦痛といったら。とはいえ、飛行中80%程の時間は
ひたすら寝た。東京4泊で帰ってくると、時差ぼけが殆どないとい
う利点もあったが、さすがに疲れたのか、家に帰っても更にぐうぐ
う寝た。寝る子は育つが、寝るオジサンはなかなか疲労がとれない。
と、色々不平を書いたが実は本チケット、エアマイルを使ったもの
であり、あまり偉そうなことは言えぬ。あっはっは。
さて、日本では4月は物事が始まる時期。入学式や入社式があちこ
ちで開催され、殆どの会社では新しい会計年度が始まる。ふと気が
付くと、ここではいつまでたっても僕は社長5年生。歳をとらぬの
は気分が良いので、編集部の皆様、このままほっといてください。
そんなことはどうでも良いのだが、当社にも4月に大きなイベント
が発生した。以前、当社は純英国企業だとここにも書いた記憶があ
るが、これが日系企業となった。日系企業とはなんぞや、という議
論もあるが、日本に本社が存在して、その従業員の半分以上が日本
人である、というあたりだろうか。当社は今月から日本の本社が
100%株を保有する海外現地法人になった。今年の年頭から本格的に
練ってきたプランであり、関係する複数の人々にとって、決して簡
単な判断では無かったが、4ヵ月後に実現してしまうあたりは、我
ら実に身のこなしが軽い。
僕は変わらずロンドン店の社長を継続して勤めるが、本社の取締役
の一人という仕事が増える。東京行きの機会も増えると予想する。

4/15/2007

Merger

もうよかんべえと思って、土曜、日曜とテニスをしてきましたが、
鼻水がまだ相当発生していたので、週末仕事の後、土曜の詫摩コー
チには申し訳ない位走れませんでした。今日はそこそこ軽く動ける
ようになってきたようで、気を良くして初級テニス会後、ビール1
パイントと白の小を1グラス引っ掛けて帰ってきたところ、急に疲
れがでて頭が重く、そのまま2時間熟睡し、風呂にどばっと浸かっ
てみたらもう爽快。僕の体の勝ちで、そろそろ風邪さんは退却のよ
うです。
昨日今日とロンドンは20度を超える快晴で、気持ちよくて暖かく、
今日は人生で初めて、冬の間に密かに仕入れておいた、なんとテニ
ス専門店で仕入れたテニス専用の短パンを着用したのでした。僕の
にわとりのようなテニスをワッチしている人は一人として居ないの
ですが、本格的なスポーツ格好をするというのは、僕のような小心
者には、なかなか勇気が要るのです。ついでに1年半で破れたシュー
ズの新調をしましたが、お店でアシックス製が売られていて、へえ~
と思って買いました。家に戻ったら、Made in Chinaというラベル
を発見してしまい、ちょいと興ざめしましたが、まあそんなもんか
と。イースター前後は皆旅行などでテニス会はお休みでしたが、今
日は新しいメンバーが増えたりして、メイダベールでの初級テニス
サークルは、今シーズンも、笑える週末のひと時を提供してくれる
ことでしょう。ありがたや。
こう暖かくなるとテニスの最中にも相当量の水を飲むわけですが、
僕はVolvic 1.5Lのボトルを持っていきます。半分以上は飲みます。
ここからが問題なのですが、ボトルの最後まで飲まずに、次々に新
しいボトルを開けてしまうという悪癖があって、親のせいにしては
申し訳ないですが、どうもDNAなのではないだろうかと勘ぐってい
ます。開けたボトルを家の何処かに置いて、次の新しいものに手を
だしてしまって、中途半端に水が残っているボトルが最大5個ぐら
い家中に存在することがあります。これはよくないと思い、ある日、
意を決してボトルのマージを試みたところ、これがいけるんですわ。
Volvic同士、クチとクチをくっつけてマージすると、相当な勢いで
片方から他方へ水を移動しても、あら不思議、水はこぼれないので
す。ほら、たまには僕のBlogも役にたつでしょう。早速試してみて
ください。
それと僕は脱ぎ捨てたソックスをあちこちにばら撒いておく、とい
う悪い特技もありますが、オヤジ殿の同様の悪癖を子供の頃から見
てきましたから、これはDNAであることは疑いありません。とはい
え、こちらはマージという楽しい作業もありえず、こまめに洗濯籠
に入れる必要があります。5月に同居人がやってきますのでこちら
は他力本願、ちょっと臭そうで可哀想だけど。来週末は同居人と同
居することを親戚一同その他に宣言する催し物があって東京行きで
すので、Blogはお休みとなります。

4/09/2007

Easter

イースターともなると、ロンドンは日が長くなり暖かい。日本の季
節感にはかなわないが、そこそこ四季を感じることができる。長く
暗い寒い冬がようやく過ぎて春が来る嬉しさは、こことて格別であ
ることにそう変わりはない。
フラットのベッドルームから、裏の駐車場やUpper Richmond Street
が見える。なにが嬉しそうかって、リスたちである。春の太陽を金
色の背中で満喫しながら、2匹のリスが、恋仲なのであろうか、じゃ
れあって駐車場の屋根で走り回っている。その傍で妙に太った鳩が
足を畳んで、リスたちをゆったりと眺めている。
こんな平和なイースター4連休に、風邪をひいてしまった。数年ぶ
りにきついなあと思う結構な風邪である。最初は喉がひりひりと痛
み、次に鼻水が滝のように流れ、現在は更に胸が痛い。あと数日間
続きそうな勢いでうんざりしている。とはいえ、僕の体にまだ柔軟
性が残っていると思うとちょいと嬉しい気がしないわけではない。
歳をとるにともなって、風邪をひきにくくなる人がほとんどだと思
うが、体が柔軟性を失っている大証拠なのだそうである。僕の場合
はもう5年ほど、風邪と呼べるほどの規模のものはひいておらず、
逆にうんざりしていたのであった。しかし、ひいてしまうとやはり
風邪は憎らしい。
荒療法、テニスで汗をかいて一気に直そうかとも思ったが、朝起き
て、まだまだ症状がひどいのでやめにした。このあたりの見極めは
難しいところだが、あまり過信せぬあたりの判断が適切かと思う。
体からの悲鳴はよくよく耳を澄まして聞いてあげたほうが、永い目
でみて正解なのだろう。なので、暖房を入れた暖かい部屋でイース
ターを無為に過ごしている。
無為に過ごすというのは僕の場合、頭の半分で本を読んだり、テレ
ビをみたり、ごろっと横になってラストシーンがみえみえの恋愛映
画を豆でもかじりながら眺め、他の半分で会社のことをぼーっとな
んとはなしに考えるというものである。これが幸せな時間かどうか
は知らんが、近代人にとって贅沢と呼ぶべき時間であることはまず
間違いない。
そんなこんなで、イースターには結構な量の読書が進んだ。梅原猛
氏が若き頃著されたエッセイ的な作品集や、塩野七生女史など、
本棚から目についたものをランダムに手に取った。こうした哲学者や
小説家の感性に何時間も浸っていられるのは、必要な贅沢ものであ
り、かつこの贅沢は自ら作り出さねばいけないと再認識した次第で
ある。

4/06/2007

Espresso

出張でパリやミラノあたりに行くと、お客様のオフィスのキッチン
に必ず年季の入ったエスプレッソ・マシンが鎮座しており、これら
が作リ出すコーヒーはとても美味しい。挽いたコーヒーがパックに
なったもの(僕は玉と呼んでいる)をマシンにセットして蓋を閉め
ると、グワーンという音を出しながら相当な圧力でもって泡を適度
に発生しながらエスプレッソを作ってくれる。出した後の殻は勝手
にマシンの後ろの格納箱に移動するので、そのまま定期的に捨てれ
ば良い。実に簡単で手軽。
ロンドンではこの玉が手に入らなかったが、漸くNespressoという
会社が大々的にUKマーケットに乗り込み、本格的な展開を開始し
ている。エスプレッソ好きの僕としては早速自宅用に仕入れてみた。
豆(玉)が風味別に20種類位あるが、もちろん一番濃い玉を10
0個買ってみた。美味い。これならパリに負けない。同居人はカプ
チーノ派なので、どちらも作れるマシンを選んだ、250ポンド也。
玉は一個23ペンスである。カプチーノも一番濃い玉を使って作って
いるが、美味しいそうだ。
昨年オフィスを引っ越したとき、友人のBobさんがコーヒーマシン
を贈ってくれた。これは後で分かったが、なんと650ポンドもする
ものだが、残念ながらエスプレッソが不味い、というかエスプレッ
ソになっていない。即ち、泡をだせないのである。当店、特に日本
人スタッフにはエスプレッソ好きが多い。Nespressoは、エスプレッ
ソ専用のマシンだと100ポンドちょいで入手できる。早速オフィス
用に1台と玉500をオンラインでオーダーした。これでイースター
明けにはオフィスで美味いエスプレッソが飲めることになる。この
程度の出費で自宅やオフィスでのひと時が幸せになれるのは幸せで
ある。