8/26/2008

Olympics 2012

ロンドンの自宅で観るオリンピックは今回で5回目となるわけだが、
様々なドラマを楽しませてもらった。次回のオリンピックはロンドン
で開催されることもあり、BBCは気合が入っていた。デジタル放送
では常時5、6種類の競技からどれか選んで観戦することができた。
無論、日本人選手の活躍は、決勝に残った選手ぐらいしか見ることが
できないが、チームGBが勝ってもチームJPが勝っても、どちらも
手を叩いて大喜び。2チーム足して金が28個も取れた。大したもの
である。それにしてもチームGBの活躍は凄かった。
日曜はテニス遊びをしていたので、閉会式はTVでは観なかったが、
BBCのサイトに動画があった。ジミー・ペイジが出てきてギターを
弾いていたので相当ビックリした。通常は、ギターで行くのであれば、
庶民派 Queenのブライアン・メイであるべきだろう。僕のZepplin
好きは並大抵のものではないことは以前にも書いたが、やはりTVの
前で立ち上がって、手を叩いて喜んでしまった。が、そのうち、はて
この白髪の、ギターが妙に巧い爺さんを知る人は視聴者のうちいった
い何%いるのだろうかと、心配になってきた。実際、ベッカムが出て
きたときには何ともなしに安心を覚えてしまった。
好みの分かれるセレモニーであったかもしれない。
BBCのサイトでは、五輪旗を受け取った後の、ロンドン市長・ボリ
ス氏のスピーチが観られるが、これが目茶面白いのでお勧め。ボリス
氏は今年の5月に市長となった。僕より3つほど若い。このスピーチ
を見ても思うが、若い政治家はまったく元気が良くて良い。前回の東
京出張時に日本では内閣改造があったが、新キャビネットの平均年齢
が62歳だそうである。英国の内閣はもっと若いだろうと思って調べ
てみたら、現在49歳であり、60歳以上は一人しかいないという。
この違いはどのあたりにあるのだろうと思うなあ。インテルという超
一流会社の社是には、常に若返りを図る、というのが何十年も前から
あるそうだ。若返らなくてもうまくやっている会社もあるし、若返っ
てから芳しくなく元に戻す企業もあるが、いずれにしても若返りを常
に念頭に置いてきた会社の方が、永続するようにも思う。
オリンピックに出場すべき選手を選ぶ方も、その判断は大変だろうと、
気の毒にさえ思える。新旧、どうすべきか実に悩むのだろうなあ、と
思いつつ、ビールを片手にTVを観て手を叩いてよろこんでいる僕は
単純に4年後が楽しみだ。もしかして、生で選手のプレーを観ること
が出来るかもしれない。テニスは、Wimbledonが会場になるのだろう
か?

8/04/2008

Quality

若い頃、法に触れることはやらなんだが、こずるいことは随分して
きた。仕事はそこそここなしてきたが、それをいいことに、酒飲む、
女泣かせる、金つかう、嫌な奴だったと思う。そのしっぺ返しか、
四十になってようやくだが、他人様に迷惑かけず、まっとうにやっ
ていこう、という思いに至りはじめた頃にちょうど当店を創立した。
一流企業にしたいという夢はそんなところに因があるかもしれぬ。
それがかなわぬまでも、一流企業と同等の備えを持ちたいと思い続
けて多少の背伸びをしてきたように思う。当社はありがたいことに
設立当初から一流企業の皆様に大変お世話になり続けており、ご愛
顧を頂いているからであり、困ったときに助け続けられてきた。僕
にとって、会社というのはこうあるべきだというお手本を見せて頂
いてきたわけで、嫌な奴、の対極にある、一流というものを勉強さ
せてもらっている。
例えば、当社が請求書を送付する。本来はそこで全く安心できない
のが残念ながらビジネス世界の実態である。が、お客様が一流企業
だと、まず安心して寝られる。そして3週間後には果報が入る(現
金が銀行に入る)。毎回毎回3週後に入る。これはすばらしいこと
であり、真似すべきことだと思った。そして当社も一流企業のマネ
をして3週目には支払いを心がけている。業者のキャッシュがきつ
いというときは、こちらに余裕があるのであれば、即金でも払って
あげる、小企業の顧客が厳しいときは可能な限り待つ。そういう関
係が永く良いつきあいを構築できるのだとおもう。勿論業績がそこ
そこでなければこうはできまいが、できるうちはそうしようと思っ
ている。
時には当社が3週間さえ待てなくなることがある。そんな我侭をよ
しよし、と聞いてくれ、支払いをさらに早めてくれる!そんなこと
あるわけねーだろ、という声が聞こえるが、実際にそうなので、こ
うした一流企業のお客様達の会社名を挙げたいがここでは控える。
まったくこうしたお客様は文句なしにかっこいい。僕らもそうなり
たくなる所以である。
今の僕らができることは、こうしたお客様から頂戴する対価を超え
るサービスを提供し続け、お使いいただくことである。一流企業で
はないけれども、一流のサービスは提供することはできる。今回、
多少旅慣れしてきた東京出張中に、当社東京本店、飲み屋、レスト
ラン等でのサービスを楽しんで観察してきた。本屋で帝国ホテルの
サービスを書いたものを入手した。皆なかなか興味深く、僕が関心
を持ってきたことの一つ、サービス品質ということに、更に関心が
深まったように思う。

7/29/2008

JPY 220

東京人が今年は厳しいと言ふている暑さの中に居る。出張前に、7月
下旬の東京は暑だろうとそれなりの心構えはしてきたが、天気予報な
どをみると、東京以上に暑い地域が日本にはいくらでもあることに気
づいた。
日本は暑い。例外として、北部の一部はそれほど暑くもない、という
のが正確なところであろう。函館出身の在英18年のぼくにはもちろ
ん残酷なぐらい厳しい。バテぬよう、毎夜ビールなどできちっと涼み
ながら、残りの出張仕事を進めようと思う。
6月に来た前回の出張は1年ぶりのものだったので、いつもどおり肩
に力が入っていたが、今回は大分東京に慣れてきたような気がする。
ざっと、その慣れ具合を並べてみよう。
- 東京到着二日目には、エスカレーターで、さほどの疑問なく左側に
すっと立てるようになった。
- 外出時は、ハンカチを常時携帯するようになった。
- 風呂がほしいと思わなくなった。
- Suicaカード(JR系)が地下鉄でも使えることが分かったので、
Pasmoカード(東京メトロ系)を返却した。こうしたカードは定期入
れに2枚重ねると誤動作するので不便だった。ありがたい。ちなみ
に、Oyster と Suica を重ねるとどうなるか、明日にでも試験して
みようと思う。
- ちなみに東京メトロとは、営団地下鉄が民営化した後の通称である
そうだ。
- 朝9:30を過ぎると、ホームの喫煙場所でタバコが吸える駅があり、
毎朝助かっている(阿佐ヶ谷)。
- 街にいる人に道順を聞かずとも、プランタン前に一人で行けるよう
になった。
同時に慣れないものがある。最もまずいのは、すべてGBPに計算し
なおしてしまい、なんて安いのだと、無駄遣いしちゃうことである。
これはなかなか直らないが、ふと気づいた。そうだ、英国に居るとき
には、いつもJPYに計算しなおし、なんて高いのだと節約すれば・・・

7/17/2008

Being wild

三島由紀夫氏の産湯の記憶を読んで、ほんまかいなと思っていたが、
女流作家が同じような体験をエッセイに書かれているのを数年前に読
んだ。将来作家となるような乳児は、すでに頭の構造がどこか違うの
だろう、ありえるのだなあと思った。
凡人の僕が記憶ということを始めたのは、5、6歳前後だと思うが、
その頃家族が生活していたのは北海道の南部にある泉沢という小さな
村だった。車で函館市から西に1時間弱走ると、木古内という町に至
るが、その一部が泉沢というなかなか洒落た地名の村落である。海と
山に挟まれたごくわずかな平地、その幅は200メートルも無い思う
が、海岸線に沿うように国道228号線が走っており、この両脇に二
百世帯もあっただろうか、小さな家屋が建ち並ぶ村だった。山沿いに
は国鉄の線路が走っており、その脇に円筒形の小学校が建ち、体育館
の裏口には教育職員住宅が3件並んで建っていた。最も線路に近いの
が僕が数年間暮らした家だった。山まで徒歩20秒、海岸まで徒歩1
分という、実にワイルドな環境だった。
夕食やら家の手伝いに無理やり呼び帰されることはあったのだろうが、
子供達が外で遊ぶのに、親がついてくるということは皆無であった。
山や川で多少危ないこともあったのだろうが、年長の子がリーダーと
なり、なんとかする。この村の子達が10歳にもなれば、万一山で一
人で迷子になっても、雨さえ降れば1週間や2週間は難なく生き延び
るだろうと思う。喰える草の茎や花の葉等の種類を知っており、蕗の
葉を使った雨水の飲み方を知っているからであり、川に出くわしたら
しめたもの、と小さな頭が覚えているからである。もっとも、ヒグマ
に出くわしたら死んだふりをするという迷信は頭に入っていたが、運
よく経験したことは無かったので、本当にワークするのかどうか分か
らぬ。いずれにせよ、当時の日本の田舎の子供達というのは、おおよ
そこうしてワイルドに育ったのではないだろうか。そんな話を都会育
ちの同居人にすると、東京でも子供達が広場で遊んでいるところを親
がいちいち見ていたということは、やはり皆無であったらしい。
我が家のミニ同居人の学校のことをそろそろ考えねばならぬという。
まだ八ヶ月だというのに。いや、生まれる前から入学予約を入れるこ
ともあるそうな。いやはや。泉沢には幼稚園も無かった。円筒形の小
学に入学したら同級生は20名だった。社会性という意味でわが身を
振り返ると、確かに若干問題があるやもしれぬ。。。とはいえ、今3
0名の社員の皆さんと組織的な仕事をさせてもらっているし、友人達
にはとてもよくしてもらっている。ミニをナーサリーに入れることが
不可欠なのかどうも分からぬが、多分入れることになるのかなあとも
思う。思うが、泉沢村で育った父には、どうにもミニが気の毒なので
ある。学校の庭で先生や親の目の届く範囲で遊ぶのもやむをえないが、
少なくとも年に2度や3度は、少年達だけで山を探検したり、川で多
少勇気が必要な遊びを経験させてあげたいなあと思う。

7/07/2008

No.2

東京の友人が Jake Shimabukuro というウクレレ奏者のCDをお土産
に持ってきてくれた。アルバム・タイトルと一曲目はThe Beatles の
In my life 。無難。ふーんと思って2曲目を追ったら Going To
California とあるではないか。えっ、と思って早速聴いてみたら、
本当にZeppelinだった。Zepを選ぶというだけで僕はこのミュージシャ
ンを一気に評価した。全曲聴いて、本当はZepを1曲目に選びたかっ
たのではないだろうかと思った。
不精なせいか保守的なせいかは知らぬが、一度好みのアルバムに出会
うと、1年程同じものを延々と聞き続くことになる。Jakeさんには暫
くお世話になりそうだ。
日曜日にはこの友人をテニスに誘い、暫くぶりに一緒にプレーした。
サーブ練習が終わって玉を集めながら彼曰く、吉田さん、玉が重くな
りましたねえ。あら、そうかなア、てれるゼ、などとひとりごちてい
たら、そうなの雨で玉がぬれちゃったア、とコーチ。本当にこのコー
チは素敵な人だ。
そして午後はビール・ワインを片手に、コーチもミニも皆でウィンブ
ルドンのファイナルTV観戦である。これをしないと一年が終わらな
い。
ジャスティンの突然の引退があって、僕にとっての今年の女子トーナ
メントは精彩を欠いた。男子はご覧になった方も多いと思うが壮絶な
ファイナルだった。なんとしてもボルグをぬいて6連覇したかっただ
ろうと思うし、僕もそうしてほしかった。世代は変わらねばならぬ、
わかっている。しかし、一回だけ待ってほしかったなア。
フェデラーのテニスは基本形の究極であり、基本形がいかに強く美し
いものかを証明し続けてきた。プロのアスリートというのは、素人が
観たいシーンを提供することがその仕事の本質であろう。フェデラー
には、その仕事にやりがいを感じ続けてほしい。急に引退することは
考えないで欲しい。ランクなどはもうどうでもよい。No.2に落ちたら、
新No.1にとって、これほど嫌なNo.2はいないであろう。そんなあたり
が素人にはとても観たいところなのである。基本の美を永く提供し続
けてほしい。

6/28/2008

Title

早いもので、僕のブログはもうすぐ2周年を迎える。これが72度目
の投稿となる。飽きやすい、いい加減な性格の僕が続けてこられたの
は、読者の皆様からのコメント・メールや、編集長の飲ませ食わせ戦
法のお陰である。ありがたや。そろそろ、ロゼの美味しい季節ですね
え、編集長っ。
ちなみに当社は設立から7年が経過した。先週土曜日、全社員の皆さ
んに休日返上で集まってもらい、社内セミナーを実施した。7歳にし
て、社員教育や、目的・理念の共有という、とても重要なことが、本
当に重要なのだと、ようやく理解し始めた。当社の設立は僕がちょう
ど40になった時だった。計算は簡単で、50まであと一歩。モトロー
ラという会社の理念に、常に若返りをはかる、というのがある。いや
はや、すごい理念を掲げたものだなあと思うと同時に、創立者達の鋭
い感性に思い切り共感する。当社はこの先50年100年と長生きし
着実に成長したい。そのための礎を築くことが僕らの当面の仕事であ
る。こんな面白い仕事にはそう簡単に出会うことはないだろう。まっ
たくラッキーであり、このおかしみを社員の皆さんと一緒に感じなが
ら、派手さよりは無骨さを好む組織を大きく育てたいと思う。
ところで、2年前から”社長5年生”というタイトルのままなのは、
やはりおかしいので、変えてもらおうかな、とつらつら考えてみたが、
なかなか浮かんでこない。どなたか良い名前をつけてやって下さい。
ちなみに、父親1年生というのは却下させていただきます。

6/24/2008

Objective

何かしらの問題を解決せしめる際には、その本質を正確に捉え、自己
の主力を本質に集中し取り組むのが上策かと思う。このことにより、
派生する多くの小問題が一気に解決することもある。
日本の省庁オフィスを訪ねたことも無く、その仕事場の雰囲気も全く
知る由も無いが、タクシー接待問題の本質は、官僚のモラル云々とは
別のところにあると思う。24時間営業のジーンズショップの必要性
がどこにあるのか分からぬと思っていたが、官僚の皆さんが、連日の
ように夜中の1時を過ぎまで仕事をせねばならない組織の仕組みも同
様に僕には分からぬ。官僚の皆さんは知的能力が高く、であるからこ
そ、国家レベルの大変重要な仕事を進められている。そんな大事な仕
事をしている官僚の皆さんが、15時間を超える長時間の頭脳労働を
連日続けることに危険を感じる。無論、有事の際には、徹夜が何日続
いてでも、やらねばならない仕事はあるだろう。国会は有事のことで
は無い。睡眠不足や本人も気づいておらぬ精神的な病から、誤った判
断を導き出すことは無いだろうかと心配になる。
タクシー接待問題は民主党の議員が調査を求めたそうだが、なぜ官僚
の皆さんが深夜・朝方にタクシーに乗る必要があるのかという本質に
は触れていない。政権を取ったあかつきには、議員と官僚の関係・構
造を改革し、官僚の実質勤務時間をこれだけ短縮し、その結果タクシー
チケットは全廃する、などというようなクリアーなメッセージは聞こ
えるべくもない。そのオブジェクティブは、あら捜しというと言葉が
過ぎようが、現在のところ、問題の本質とは随分かけ離れたところに
あるのではないか。とは言え、よき一石を投じたと言えよう。これに
より、もし本質が議論され始めれば、会社組織であれば、社長が直接
取り組むべき大きな仕事となろう。官僚組織では誰が取り組むべきな
のか知らぬ。首相か大臣か誰か知らぬが、後進国でもありえぬような
悪文化は、誰かが変革を訴え、改善すべきである。いまどきの若者に、
長時間勤務はウケない。ウケない組織に若い優秀な頭脳は集まらない。
などと、書生のようなことをつらつら考えていたところ、橋下知事、
初の団交出席 - 職員「私たち悪いことした?」 というニュースの
見出しが目にとまった。改革とは、変化とは、かくも人の嫌うところ
かな。

6/15/2008

Excuse

本Blogの読者の皆さんから、コメントやメールを頂戴することがある。
こんな駄文を読んでいただいているのだなあと、とても嬉しい。この
場をかりて、改めてお礼申し上げます。
最近頂戴したものに、同居人という表現は配偶者に対して失礼千万、
100発位殴られるのではないか、とのご意見を頂戴した。まことに
仰る通り。同居人はもとより、親御さんに知れたら1000発位殴ら
れるのではないかと、ひそかに危惧していたのは事実である。
妻、家内、ワイフ、カミサン、とまあ、男が配偶者を表わす単語は人
により様々である。関西の人はヨメと言うケースが多い。僕は昨年、
新郎が仲人と間違われるような結婚式を東京で行い、晴れて家族持ち
となった。本Blogでは、社長5年生というお題があり、家族の話は避
けようと心がけていたが、まあ、そう力む必要も無いか、とも思い始
めた。僕の近頃の仕事は、物を考え、それを文章やシステムという手
段で表すことにあり、そのことに関しては気合が入る。すなわち、本
Blogで配偶者をどう表現すべきか、思い悩むことになるが、その答え
は既に決まっていた。同居人。
僕は函館生まれの、がさつな男であり、ヨメはん、ヨメとはまずまず
書けない。妻というのはなんだか鼻持ちならぬような気がする。家内
というのはどうも偉そうに感じてしまう。配偶者というのはよそよそ
しすぎる。カミサン、カアチャンあたりが、良いと思うのだが、文体
によってはそぐわない。
というようなことを、100倍上手に、かつ弁解がましくなく表現さ
れているのが、五木寛之氏であり、氏のエッセイでは同居人という単
語を貫かれている。僕に文章の感性が多少でもあるとすれば、それが
氏に共感し、猿真似したものなのであります。
そして、赤ん坊が生まれた。またまた思い悩むことになった。これに
関する氏の表現は全く記憶になく、エッセイ本もどこぞへいってしま
い見つからない。考えた挙句、ミニ同居人となった。これは、なにか
可愛い感があり、かつ同居人との一体感も表現できて、我ながら秀作
ではないかと思うが、如何であろうか。
以上、ミニが大きくなって、いつか僕の Blog を読むことがあったと
きに、父ちゃんを100発殴りたくならないよう、この場をお借りし
て下手な弁解をしておこう。

Akihabara Attack

2週間の出張があって、ロンドンに戻ってみると、我がフラットの庭
の緑が濃くなり、咲く花が一段と綺麗になっていた。一番変わってい
たのはミニ同居人で、表情がちっと男らしくなり、動きがやんちゃに
なっていた。2週間というのは、短いようで長いのだなあと思う。
本社オフィスは御茶ノ水から5分、インターネットで探してみると、
秋葉原に最近できたホテルがあり、ここをベースとした。宣伝どおり
確かに多少部屋は広い。とはいえ、やはり狭い。東京のホテルは安く
狭い。もっとも高級ホテルは広いのだろうが、その中間が無い。この
狭さに2週間ぶっ続けで宿泊するのは辛いので、週末を実家のある函
館で過ごすことにした。
前日の金曜夜は本社スタッフの若い皆さんと酒を飲みにいった。みな
意見を持っており、それを伝える意思も強く、なんだか嬉しくなって
飲みすぎてしまった。最後は朦朧、タクシーで降りたはずが、ホテル
がどこなのかわからなくなり、20分ほど真夜中の秋葉原駅周辺を千
鳥足で散策をしてしまった。午前2時位だったと思う。翌日起床した
ら、飛行機が離陸する30分前だった。あっはっは、目覚ましかける
のを忘れていた。ま、休暇のことなので、是非も無し。次便に無事乗
れた。
実家のテレビのニュースで秋葉原で事件が起きたことを知った。恐る
べし、相手にしてくれない世の中、という社会を対象として、無差別
殺傷をプロット、実行に移した。その過程を携帯電話からWebサイト
にアップロードしていたというから驚く。数ヶ月前にも同様な事件が
茨城で発生した。
実家の家族には羽田行きの最終便で戻ると伝えておいた。たっぷりと
函館の海産物などを楽しみ、酒を楽しみ、会話を楽しみ、最後は熱い
温泉で体を清め、東京に戻る時刻となった。最終確認と思ってチケッ
トを見ると、飛行機が離陸する10分前だった。またか?唖然としつ
つ、調べてみると、函館人にとって羽田行きの最終便というのは、J
ALの7時40分が該当するということが判明した。うーん。僕が何
の疑いも持たずに言った最終便は、日に4便飛んでいるANAの最終
便のことで、これが6時55分である。そもそも函館にJAL便があ
ることなぞ忘れていた。是非も無し。とりあえず空港に向かったら、
そのJAL便に空席があった。僕は幸運な奴だなあ、とまた思うと同
時に、僕の馬鹿さ加減は歳と共に増加の一途であり、もう一人では何
もできないなあとも思う。
秋葉原に着いたのは夜10時過ぎだったが、街では何事もなかったよ
うに、ペアがいちゃつき酔っ払いがふらふら歩いていた。僕もコンビ
ニでカップヌードルとビールを買い、翌週の作戦を練りながら、狭い
ベッドにもぐりこんだ。まどろんでいると、東京勤務時代に夢中にな
っていたロックバンドの、”東京シティーは風だらけ”という曲が頭
の中で聞こえ始めた。20年前の当時も社会は風だらけだったのだろ
が、若者達はしなやかさを備えていたように思う。被害者とその家族
の悲嘆を思う。合掌。

5/24/2008

Formal Logic 2

吉田のBLOGは堅いぞ、とのご指摘を頂戴することが多い。普段ボケて
いるので、僕を見知らぬ読者の皆さんに多少でもカッコつけてみたい
、という田舎者の願望がモロに出ているのかもしれない。そういう反
省を含めて今回は柔らかい話にしよう。ついでに文体も変えてみよう
かいな。
最近、形式論理学のあまりの厳格さに慄き、悔し紛れに身近な命題で
遊ぶ事を覚えたのは、前回のBLOGで書いた通りです。それ、
ロンドンの地下鉄の正常稼働率は高い
ロンドンの地下鉄の正常稼働率は高くない
これはロンドン近辺に住む人や、旅行時に苦労したであれば、色即是
空の日本人とて、積極的に排中律の原則に従い、後者が真であり、前
者が偽であり、その中間は存在しないことに、ウンウン、とうなずい
てくれると思います。
そこで、地下鉄で尿意をもよおしたらどうするかという問題が発生し
ます。地下鉄に乗り込む前であれば、自宅で済ますなり、去る際にパ
ブで済ますなり、大きな問題とはなりません。しかし、乗りこんだ後
の地下鉄が、その後、正常に運転しなくなることがあります。信号系
統の故障が良い例ですが、これはいつ起こってもおかしくないのが現
状です。
信号系統故障の特徴として、のろのろ運転ではあるが、前に進むケー
スが多い。これに対する解決法は、ためらわず次の駅で降りることで
しょう。この際、地下鉄運賃の高額なことは涙をのんで忘れるしかあ
りません。降りなかったために大きな後悔をするよりは、降りたほう
がよろしい。しかし、もう一つ命題があります。それ、
ロンドンには公衆トイレが十分ある
ロンドンには公衆トイレが十分ない
こちらも、後者が真であることに異をはさむ方は、まずいないと思い
ます。しかし、焦ることはありません。以下は女性にも適用可能な解
決法です。
駅を出たら、まず近辺にパブが見えるでしょう。トイレはまず地下か
1st Floor にありますので、直行します。パブによっては、公の場で
あるという良識の希薄な、セコいパブもあり、 'Customer only' な
どと店員に言われることもあるでしょう。この際も、こやつのセコさに
議論を吹っかけたりする時間は惜しみ、とりあえずカウンターで見せ
金しつつビールをオーダーし、断ってからトイレに急ぎましょう。そ
の後、きちんと金を払い、勝利のビールを飲んでから再び地下鉄にの
るかどうかは、個人の良識次第。パブ以外には、マクドナルドなどの
ファーストフード・レストランも、強力な助っ人となります。
しかし、これで解決できないこともあります。それは、乗り込んだ地
下鉄が、途中でウンともスンとも前に進まず、それが駅と駅の間であ
り、ひたすら待つしかない状態である時に、じわじわと、もしくは意
外な程、急激に尿意が高まる状態です。これは悲惨であります。解決
法は、ただ一つだけあり、死んだ気になって我慢する事でございます
。尿意にも2種類あり、所謂、大の場合と小の場合でございます。前
者の方が我慢が利きにくい、という特徴を持っていますが、前者は、
更に2種類に詳細分類されます。所謂、固いほうと、柔らかい・・・
僕はここにおいて、襟を正し、人の名誉と尊厳について考えざるを得
ず、おのずと文体も堅くならざるを得ない。前者の場合であり、かつ
詳細分類が後者である状況と、地下鉄がウンともすんとも動かないと
いう、極度の不運かつ絶望的な状況に置かれ、死ぬ気になっても、ど
うしても解決せしめることが出来なかった悲惨さを思ふてみよ。詳細
な予想描写は差し控えるが、当事者、周りの乗客。地下鉄はウンとも
すんとも動かない。赤子は激しく泣く。真夏のセントラル・ラインの
車内は40度近い。日本ではまずありえない事故だが、ロンドンであ
りえないとは言えない。幸い僕はこれまでにそうした惨状を目撃した
ことは無い。ちょっと危険な状況になったことはあったが、自分が最
終的当事者になったことも無い。しかし、過去にそうした現場に出く
わしていたなら、その後の僕の人生は、もう少し哲学的なものになっ
ていたかもしれぬ。ウーン、柔らかいのは怖い。