1/22/2007

Profit Rate

渡英してから数年後、短期間集中型のプロジェクトがあり、毎
日朝から23時まで(をチームの約束事にした)仕事をする生
活が半年間続いた。若かったし集中力は継続できた。プロジェ
クトの終盤を向え、週末イベントを控えて念入りに仕込みを進
めたが、土曜日の当日、病院行きとなってしまった。腕に斑点
が現れ高熱を出してしまったのだ。仲間が大いに頑張ってくれ
てこのプロジェクトはうまく完了した。
さて、このプロジェクトの後、僕は急速に体力の衰えを感じ始
めることになる。長時間仕事を毎日続けたのが原因とは思って
いない。単にタイミングなのであろう。皆、ある年齢になると
急激に体力の減退を覚えるという。僕の場合は他人よりちょっ
と早かったようだが、ではその後さらに体力減退しているかと
いうと、そうでもない。今から5年前とさほど変わっていない
ような気がする。気がするだけかもしれないが、自分の体は自
分が一番知っているつもりでもある。
帰省兼ビジネスで日本に飛び、現在東京に滞在している。4階
の窓から下を眺めると、ジーンズ等を売っている店がある。店
の周りに旗を沢山ならべて、なかなかにぎにぎしいが、24時
間年中無休という旗も立っている。服屋が24時間開いている
のは確かに便利な時があるのかも知れないが、もし東京の何処
にも24時間営業のジーンズ屋がなかったとしても、さほど困
ることは無いように思う。むしろ、夜中の売上がはたしてどれ
程のものになるのか、人件費や光熱費を費やして、はたしてど
れだけの粗利率になるものかと心配してしまう。
郷里の函館に2日間滞在し、親兄弟や友人達と久しぶりに楽し
く談話をした。友人は30歳の頃、毎日朝8時から夜中の2時
まで仕事をし、それが3年間続いたそうだ。壮絶なものではあ
るが、似たような話は日本ではどこでも聞く。長時間働くこと
が一つのステータスになっている、というと言い過ぎであろう
が、これだけの長時間を費やさないとビジネス社会で競争でき
ないというのは、あまりに知恵が無いと言ってもよいのではな
いだろうか。高度成長を経て、日本は現在確実に低成長・安定
期に入っているのだから、もう少し知恵を絞って時間をかけず
に利益率を上げる努力にも時間を割いたほうが良いのではない
か、などというと高度成長を支えてきた先人や猛烈社長さん達
からお叱りを受けるだろうが、今回の旅の正直な感想である。
時代時代の経営をすべきではないか。
以下蛇足ながら。前述のプロジェクトは10年前の事だったが、
あまりの忙しさに会社にアルバイトを入れてもらえるようお願
いした。当時英国にて遊学していたうら若き日本人女性が雇わ
れ、現場事務所で僕に平気でこき使われていた。半年間の勤務
の後、日本に帰っていったが、縁というのは実に不思議なもの
である。この歳で誠に赤面ものだが、10年続いた僕の独身生
活がピリオドとなりそうだ。

1/12/2007

Cash

数年前に会社を作ろうと決心した時に、こらあかん、と思ったのは
会計のことだった。損益だとかバランスシートだとか全く知識がな
い。できあがるであろう会社の財布は、結局僕が握るんだというこ
とに気付き、はじめてゾッとして、翌日本屋に出かけなるべく分か
りやすい3冊を仕入れた。なにしろ会計のプロを雇うなんて不可能だ。
更に会計ソフトを購買し、架空の会社を作って、架空のトランザク
ションを入力して、PL/BSにどう現れるのか練習を重ねてみた。技術
屋的なアプローチなのだろうが、これはなかなかワークし、減価償
却とは何ぞや、発生主義とは何ぞや、VATとは結局だれが負担してい
るのか等々、良い勉強となった。会計の世界は技術の世界と同様、
大変システマティックなのだなあと思ったし、意外としっくりきた。
毎年のことだが、師走から年頭にかけて当社のキャッシュが極端に少
ない状態となる。今シーズンも相当厳しく、年末から数週間、銀行口
座に3万ポンドという状態が暫く続き、ちょいと緊張が続いた。売上
高 1/100のキャッシュのみで数週間凌ぐのはエキサイティング、など
ということは過ぎてから言える事であって、実際には毎回胃の痛いも
のである。とはいえ、クライシスを乗り越えた後には、ちょいと自分
を褒めて上げたい気分を3分間だけ味わうだけの達成感がある。会社
の財布は確実に守らねばならない。受注が山のようにあるのに倒産
する会社が山ほどあるらしい。毎日Profit and Loss を眺め、Bank
Recoincileをこまめに実施し、キャッシュの先行きを常時気配りし
ないと、小企業はあっという間に不渡り。
個人の家計もしっかり守ればよいのだろうが、どうもこちらは興味
がないのか、からっきし駄目である。
本年度の予算が確定し、早速課長会を開いた。殺人的な数字の羅列で
あるが、特に文句はでなかった。もしかしたら達成できると思ってい
るのか、まったく見たことも無い数字にボーっとしているのか、その
あたりは分からないが、通った予算は知恵を絞って力強く行動し達成
したい。
さて、明日は日本に飛ぶ。前から欲しかったRimowaの4輪ケースを入
手し、ぼちぼちパッキングを開始した。ポンド高がちょいと嬉しい。
いってきまーす。

1/06/2007

A happy new year

Christmasが4連休、年末年始は3連休だったが、どうも休んだ気
がしない。ちょっとしたビジネス判断の時期が迫っており、頭が過
熱気味である。加えて忘年会・新年会が毎日続き内臓も大分疲れて
いるらしい。本日は何も考えず酒ものまず、風呂と読書で一日無為
に過ごそうかと思う。
金曜は、当社非常勤取締役のトニーさんと午後を過ごした。彼は僕
の頭がもがいている時に必ず現れて、豊富な経験と鉄のような力強
い意志を大量のジョークと共に惜しみなく与えてくれる。ありがた
いことに、彼のようなビジネス経験豊富な英国人オヤジ数名が僕ら
のビジネスを常に見守ってくれている。吉田に過ぎたるもの二つ有
り、知恵の課長会と、静かなるオヤジ達、というところか。昨年は、
それぞれのスタッフが将来への手ごたえを多少感じてくれたと思う。
本年度も気を引き締めて計画通りの成長を達成したい。
さて年末年始は日本に帰省された方も多いと思う。今週は電車とパ
ブが比較的すいていた。ビジネス・フル稼働は来週からなのだろう。
ふと気付いたが、日本に帰省する際には、文字どおり日本に”帰る”
と普通は表現するだろう。が、渡英10年を超えるあたりになると、
日本に帰り、英国に戻るときにも”帰る”になる。どっちも”帰る”
なのが面白い。更に20年近くなると、日本へ”行く”になり、英
国に”帰る”と、まるであべこべになってしまう。所用にて来週末
から日本へ行き、実家にも顔を出してこようと思う。日本は飯がう
まい。ごく普通の朝ごはんが、味噌汁が、なんてうまいのだろうと
感激さえ覚える。それと、日本産ワインが評判良いらしく、これも
2年ぶりの日本の楽しみにしている。
今年もよろしくお願いします。

12/25/2006

Party Time

一連のクリスマス・イベントが終わり、英国は今日から4連休。半
分は仕事になりそうですが、半分はぐーたら過ごします。師走はそ
の名の通りで、先週はblog投稿を一度パスしてしまいました、ごめ
んなさい。
昨日Christmas前の金曜日は、例年通り2時頃に仕事を切り上げ、
近所のテスコで酒やらつまみを仕入れて、オフィスでの忘年会でし
た。いつもは5時位には皆帰るのですが、昨日は8時ぐらいまで皆
で賑やかに楽しく酒飲み談話でした。昨年とは何か雰囲気が違うな
あと思ったら、女性社員がぐっと増えたことに気付きました。
毎年10月、当社では全社員が集まって、これまたオフィスで酒を
飲んでぎゃあぎゃあした後に、プロの写真家に全員揃って撮って貰っ
たものを Christmas Card にする、というのが恒例行事になってい
ます。最近、美人沢山集めたねエ、社長の好みでしょう、と言われ
ます。が、今年から採用は基本的に部長・課長に任せた結果、たま
たまこうなったのです、と言い訳しておきます。1月にはさらに二
人の女性が入社と聞いています。なにか場がなごむというか、良い
ものだなあと思います。仕事は細やかだし、ちょっとした女性らし
い気遣いを目の当たりにすると、どうして5年間、男だらけのむさ
い職場だったのかなあと悔やまれますが、はて社長の好みだったの
でしょうか。
当社のChristmas Partyは毎年土曜日に開催です。この日だけは奮
発して、名の通ったホテルにてブラックタイ。今年はBrownsでした。
これまでは所帯が小さかったので、シェア型でしたが、今年は初め
てプライベート・ルームに40名強集まっての賑やかな会となりま
した。人の採用は悪い事だと思えと自分にも部下にも言い聞かせて
きましたが、慎重に採用を進めた結果少しずつ組織が大きくなって
くるのは嬉しい限りです。このホテルでは11時ぴったりに終了し
て、ディスコは無しということらしく、たまたま運悪く隣が Dover
Street ということで、酔った僕には no option、数名引き連れて
またDover Street Restaurantに行ってしまいました。今回は早く
入ったので、ライブのソウル、翌日軽い筋肉痛が出たほど、たっぷ
りと音とダンスを楽しんできました。
忙しい忙しいといいつつ、遊びも飲み会もたっぷりの師走です。

12/09/2006

Dec 2006

やらねばならぬことが師走に毎年やってくる。
今年のMOT(車検)は厳しかった。タイヤ磨耗で2本交換、連結棒交
換?その他諸々、何の事やらようわからんが600ポンド也。こういう
のって no option、是非もなし。カード渡して高いなあとそっと囁
いてみたら、車が古いと金がかかるのだと店主にだみ声で説かれた。
へいへい。しかし今年は歯医者だ何だと出費が重なった。そうか僕
自身が古くなってきたということか。
TAX Disk の購買も毎年12月なのだが、これはInternet経由で購買、
郵送で送ってくれるようになった。DVLAから送ってくる書類に印刷
されたパスワードみたいのを入力すると、勝手にMOTと保険が完備さ
れているか確認して、クレジットカードで決済、郵送してくれる。
この時期、街の郵便局ではドアの外まで人のキューが続いているの
で、ありがたい。しかし、あちこちに保存されている個人情報が、
目的限定とはいえ公開され始めているのがわかる。上の例では確実
に個人に恩恵をもたらしてくれるが、反面怖さもある。個人データ
ベースの結びつきという進化が、悪い事は出来ない、という方だけ
に向かうのは構わないが、万一それら情報が一般Internetに流れた
ら、その削除は既に不可能に近い。過去、インターネット・メール
というものが実に脆い仕様のまま、一気に普及してしまった結果、
スパムのような迷惑メールや、なりすましメールが現在世界中で氾
濫している。何事も進化の過程では利便性が先行しがちなのであろ
うが、個人情報に関しては過去の段取りの拙さを十分勉強し、知恵
を絞って陋見なシステムを作るか、またはシステム化を諦めるべき
である。
当社では毎年12月、ITセキュリティーの外部監査が入る。課題は多
いものの、今年もなんとか合格のサインを頂いた。
Xmasカードへサインする、というなかなか手間のかかる作業がある。
先週は日曜返上しサイン会とした。千枚超えたら印刷で勘弁してい
ただこうと思うが、そこまで組織は大きくない。組織を大きくでき
ていない罰として、ここ数年は週末にサインしながら新顧客獲得の
戦略を練るべきだろう。
この時期には忘年会が何度か開催されるが、年々きつくなってくる。
過去には普通に飲んでいても、そうそう他人様に迷惑をかけること
は無かったと思うが、最近は量を抑えないとまずいことになりつつ
ある。ワイングラスの隣に炭酸水のグラスを置いてみたりしている
が、効果は知れたもので、やはり酒量を抑えるしかない。戦略とし
ては、特に最初の1時間に飲む量を半分にしようと思う。ゆったり
と飲むことを覚えるべき歳なのだ。内臓も古くなっているのだ。
ありがたいことに、今夜はお客様のXmasパーティーご招待いただい
ている。苦い思いがあるので、仕事から戻ってすぐに、ディナージャ
ケット、シャツ、タイの目視検査・指差し確認を実施した。と、ま
た不具合が見つかった。シャツの首のボタンがどこぞに飛んでいる
ではないか。どうも僕の black tie には何度もケチがつくなあと思
いつつ裁縫セットを探したらベッドの下からようやく出てきた。ア
メンドは普段、洗濯屋に任せているが、そんな時間は無し。はて、
どうやってボタンというのは縫い付けるのかと一瞬考えたが、さい
わい手が覚えていた。子供の頃に体で覚えたものは意外と忘れない
もんだなあと感心した。
最初の1時間に半分、半分、半分、、、そろそろ出かけるとしよう。

12/03/2006

WM5

たまに電気屋らしい話題を。ロンドンでもビジネスマン・ウーマン
が電車で携帯端末(携帯電話ではなく)でメールを読んだり書いた
りしている風景があたりまえになってきた。BlackBerryがまずは
USAで成功し、ちょっとのタイムラグでUKに浸透してきた。携帯電
話に比してサイズの大きなこの端末がなぜ欧米で受けるか。その鍵
は文字通りキーにあったと思う。タッチタイプをマスターしていな
い欧米人も沢山いるが、2百年程我々よりタイピングの経験が長い
だけ、キーボード叩き慣れは彼らのDNAにそろそろ記録されている
だろう。
携帯端末のお勉強をちょいと開始したのが今年の春。いや、なにも
携帯端末を販売して儲けようということではなく(これは数千単位
でようやくまともな商売になる)、動向調査及び頭のお遊びである。
結果、当社企画が今一番面白い・将来伸びる、と思っているのは
Windows Mobile 5 (以下WM5) というMicrosoft社の開発した携帯
端末用のオペレーティング・システム(OS)である。ベースが
Windows なので、オフィスのPCやIT環境と透過性が高い。メールは
勿論、WordやExcelを読んだり変更したりすることが出来る。
Outlookのアドレス帳やスケジュールとUSBケーブル経由で同期をと
ることも出来る。ほんとに便利。
このOSを装備した携帯端末ハードウェアは色々あれど、現時点では
台湾ベースのHTCという会社がもっとも元気良く開発を進めている。
殆どOEMなので、一般ユーザーは聞いたことが無いかもしれないが、
VodafoneやT-Mobile等にどんどん OEM提供しており破竹の勢いであ
る。こうした端末は、本来日本メーカーのお家芸なのだろうが、携
帯電話によるメールが世界一進んでしまったものだから、意外と
Windows Mobileのような携帯端末の開発は遅れている。シャープが
漸くウィルコム用の WM5端末を販売したのが今年の夏だった。
僕のWM5端末は既に2代目。初代は画面が大きくて見やすかったが、
あまりのサイズの大きさに疲れて誰かに譲ってしまった。現在の2
代目もまだ厚さがあるが、ベルトにケースで引っ掛けて持ち歩くぶ
んには全く気にならない程度まで軽くなった。日帰りや1,2泊の
出張には、モバイルPCを持参しないようになったのは大いに楽で
ある。メールは日本語でも読める(要追加ソフト)。書くことはし
ない。読んで必要があれば、そのまま電話すりゃ良いのだ。この分
野はハード・ソフトとも進化のスピードが激しいので目がはなせな
い。
WM5端末買ったものの、日本語化等でお困りの方はこちらまでご相
談を(ちゃっかり宣伝)。

11/25/2006

今朝は目覚めたら重い二日酔いの11時だった。昨夜はNYからの
友人を10名程で歓迎接待し、その後2次会に行ったことは覚えて
いる。Dover Street にある、その名も Dover Street Restaurant
というクラブに至るまでの経緯は実はよく覚えていないが、昔々何
度か行ったことがあった。もうつぶれているかもしれない、なんて
ことは酔っ払いには通用せず、とにかく勢いでTaxiに分乗し
Dover Streetにて待ち合わせ。分乗とはいえ、酔い加減にみな恐れ
をなしていたのだろうか、しんがりの僕はなぜか一人でさびしく
Taxiに乗っていた。店はちゃんとあった。車を止めて皆を集め入場
料を支払うと、すでにライブの音楽が聞こえてきた。ソウルではな
いかいな。
いやー、ライブのソウル、もうたまらん。バーマンの人数が少なく
てドリンクなかなか手に入らない。既に夜は更けすぎていて、結局
3曲程でバンドは終わってしまったが、久しぶりのライブとダンス、
15分ほどソウルにノリまくることが叶った。
こんな場には、もう同年代の友人とは行けないのが悲しい。昨日は
テニス仲間が主な集まりで、僕を除けばみな若い。テニスというの
は夜中でもありがたいのだ。家に着いたら3時だった。
さて、今週もミラノに出張があった。このプロジェクトも大詰めと
なり12月中旬には終了の予定。そういえば今年もあっというまに
師走入りだ。この1年間、僕の仕事には何点あげられるだろうかと
思うと、あまり良い点数はでてこない。多少売上げが増えたようだ
が、予想外からのものであり、もともとターゲットにしたマーケッ
トからのものは極少ない。この課題はもう2年続いており、いい加
減にしないと停滞感で社員のやる気が腐っちゃう。知恵を出さねば。
ミラノではまた蚊に2箇所やられた。いや、実はこの解釈でもめて
いる。こんな冬に蚊がいるはずがないという説、ダニだという説、
シーフード食べたのでアレルギーやら、諸説入り乱れているが、僕
は蚊だと思っている。まだ痒い。女性にはだめだが、どうも僕は蚊
には良くモテる。アムステルダムなんぞに行けば、必ず数箇所刺さ
れて帰ってくる。なにか良い対抗策、誰蚊ご存知でしたら教えてつ
かあさい。

11/18/2006

V

昼飯のテイクアウェイを買うのにキューに並んだ。偶然前のカップ
ルが日本人だった。旅の人っぽくオーダーするのに苦戦しつつもな
んとか通じていた、がんばれ。最後にコーヒーを二つ注文していた
が、片方がブラックで片方がホワイトで計2個というのがなかなか
通じなかった。そろそろやばいかなあと思い始めた、出しちゃいか
ん、いかんぞ。そして店員が、計2つですねと聞いたその刹那、彼
氏からスッとVサインが自然に、そしてやはり甲が店員に向かって
登場してしまった。写真にうつるときはピースで手のひらが自然に
向こうに向くのに、数を表すときは、半数以上の方は甲が向こうに
向いてしまうように思う。僕もそうだったので、それは人様を侮辱
するときに使うものだと教えてもらった時には驚いた。
友人とCityのパブで飲んだ後、Waterlooまで一緒の電車で帰って駅
の階段を上がっていたら、おいYosh、バタバタ音たてちゃ駄目じゃ
ないか、階段はつま先で上るんもんだと親に教えてもらってないの
か、ときた。
(普通の)男同士が体を触れ合うのは握手しかない。親愛をこめて
肩を叩いたり揉んだりすると、あとであいつはホ*か真顔で聞かれ
る。レストランで全員のプレートが揃うまで待てとか、給仕の目を
見てサンキューと言えとか、こうしたルールというか慣習というか、
もっと一括りに言うと文化というのは、異国人とっては教えてもら
わないと気付けないことが多い。俺は異国人なんだと無視するオプ
ションもあるかもしれないが、少なくとも他人に不快感を与えるこ
とは避けるべきであり、最低線は郷に従うべきであろう。
逆に、君ら親に教えてもらっていないのかと言いたくなることも多
々ある。電車で自然に席を譲る優雅さを持つ割には、乗り込む時に
は全く正反対。多くの乗客が降りようとしているドア付近に陣取っ
た不動明王。君は墓場まで新聞持って行く気か、こんなに混んでる
んだから我慢しろよ。僕の場合、朝の通勤電車に乗るという行為は
週に10回(含む乗換え)発生する。東京はストレスフルな通勤で
国際的に有名だが、僕はロンドンの方が実は酷いと思う。
こうした事例を英国人の友人に示すと、ほとんどが同意して理解を
示してくれる。そして僕も、階段はつま先で上ったほうがベターだ
と自然に理解する。互いに気付けなかっただけの事であり、教えて
もらえばすとんと腑に落ちることが多々存在する。
教育なんだと思う。文化的ハーフ人は天に与えられたなにかの縁が
あってそうなった。難しいことはできないが、文化の枠を超えて世
界的に不快感を減少せしめ、より住みやすくするという草の根程度
の行動に出る義務を負っているのかもしれない。これだけ広まった
インターネットという文明は、超文化教育のひとつのキーになるだ
ろう。

11/11/2006

売上げ倍増計画 2

いやはやインターネットというの有難いもので、プライベート・ス
タイリストが現れた。本当です。素敵なお姉さんが僕のショッピン
グに2時間お付き合してくれた。というか僕が彼女の後ろをちょろ
ちょろついていったというのが実情だが。前述したが、そもそもシ
ョッピングは大の苦手、一人でスーツを買ったりするの実に苦痛だ
ったが、素敵なお姉さんと一緒となると楽しささえ感じるんだなあ
これが。
初冬のコート目当てだったが、こんな機会は死ぬまでに何度もない
とだろうと思い、結局スーツ2着、シャツ数枚、タイ数個を選んで
もらった。一着目のスーツはダークなもので青系のストライプ、こ
れはすんなりとOKした。問題は2着目、お姉さんの選択は薄い薄
いグレーのチェック、しかも5cmおきに赤というかピンクというか
細いストライプが入ったもの。そして店員のお洒落なオジサンも一
緒になってコーディネートに汗かいてくれた結果、ピンクのシャツ
とピンクのタイを合わせた。ひゃあ、これ吉田のオッサンが本当に
着るの?
試着してみた。股上が短い。そういうデザインなんだという。街で
見かける若い女の子のへそ下まで出したジーンズをはいた気分でど
うも違和感が強い。こまった。しかし、お姉さんも店員さんも口を
揃えて、良い良い言う。このぐらい挑戦しなさいと言う。言うか、
そうか、受けて立とうじゃねえか、OKだした。
2週間後、アメンドが終わって取りに行った。自宅に戻ってあれこ
れ眺めていたが、どうしても例の2着目は臆してしまう。このピン
ク・セットをいきなり着て仕事に行ったら社員は卒倒し仕事になら
ず、お客さんは契約解除に走るだろう。そこで経営者の癖で早速ロ
ジカルな作戦を練って行動に出た。
1. 新ダークスーツに旧白シャツそして新ピンク・タイで序盤戦の
様子を伺う。
-> 誰も卒倒せず、コメント皆無。よしよし。
2. 新ダークスーツに新ピンクシャツそして旧赤系のタイでジャブ。
-> この新ピンクあまり薄くないというか結構まぶしいので、お
客さんの視線が胸に来るのを数回感じたが契約は続いた。社
員ではT課長だけが、濃いピンクですね~とコメントした。
3. 新薄グレースーツに旧白シャツ、新ピンクタイでそろそろしめ
にかかる
-> T課長がみるや、吉田さんものすごいスーツきてますねときた。
でもいいチェックですね、とも言ってくれた。
4. 総仕上げ。新ピンク・セット。
-> 反応なし。作戦成功したかもしれない。夜、リボンで飯くって
たらじゅんこさんが、吉田さんはいつも素敵ですねえと言っ
てくれた。いや2週間前からちっとは素敵になったんです、
と正直に顛末を説明した。そしたら色々更にアドバイスして
くれた。女性はかくも細かく見ているんだなあと感心した。
なにを馬鹿なことに時間割いているんだとのお叱りが聞こえてくる
が、このあたりは僕は実に保守的というか小心者であり、このプチ
改革にご協力してくれたK嬢とAquascutumの親切なおじさんの挑戦
に深謝。

11/04/2006

Janglish

日系企業かと聞かれると、はっきりした答えができずに窮する。日
本人社員が6割、取締役は3/4が日本人なので、日系といえばそうな
のだろうか。しかし日本に大株主(親会社のような)がいるかとい
うと、そうではない。8割以上は英国内の資本で作られた普通の会
社組織なので、僕としては実は純英国企業だと思っているが、単に
それが理由で仕事がもらえなくなるのも癪なので、日系のお客様に
はハーフぐらいにしてお伝えしている。嘘にはならないと思う。
英国人の新入社員などに、あなたはなに人かと聞かれると、こちら
もちょっと答えに窮する。無論日本人である。だけれども、社会人
としての期間でいうと、圧倒的に英国での生活が長く、日本での一
般的な仕事の仕方は忘れてしまっているかもしれない。税金も日本
政府には一切払っておらず、英国には十数年間あきれるぐらい払い
続けてきた。西洋かぶれなのだろうかと自問しても、どうもこの言
葉自体、インターネット時代の人たちを説明するには古すぎて使い
物にならないように思う。こちらもハーフぐらいに感じている。
生まれたときは純日本人で、オッサンになってからハーフというの
はなかなかおかしい。無論外面的なことではなく、考え方とか動き
方に自然に出るあたりのことである。
ビジネス等に代表される文明というものは、すでにボーダーレス。
多国籍企業なんて単語はもうすぐ死語になるだろう。そんなこと言
ったらこの極小当社でさえ多国籍企業だ。一般人でも世界中のオン
ライン・ショップから、クレジットカードで購買が可能になった。
他方、人というのは、自分と限られた仲間が持っている固有なもの
に包まれることに大きな安心感を持ちこれを死守する。これが文化
と呼ばれるらしい。文明がどんどんボーダーレスで世界的に共通し
て広がると同時に、文化はどんどん研ぎ澄まされて鋭くなっていく
のかもしれない。そしていまどきの言葉でいうと切れたときに戦争
やテロが発生する。
オッサン(オバサン)・ハーフの効用は、このあたりのバランス感
覚に表れるかもしれない。彼・彼女らは、複数の文化を心の中に維
持することに、さほど抵抗を覚えないだろう。お叱り覚悟で言って
しまえば、割といい加減な性格の人が多いかもしれない。いい加減
なので、あれは嫌、これは駄目、という判断すら面倒、とりあえず、
まあいいじゃねえか、ということで全部取り込んでしまう。そんな
ことをしているうちに、一方の文化が頭の中で暴走しそうになると、
他方の文化がそれを適度に抑制する回路が形成されるのかもしれな
い。現地の友人ができやすいのも効用のひとつ。
ところで、僕が不思議に思っていることに、日本語がぺらぺらの英
国人が現れたときのことがある。これはどうにも説明がつかないの
だが、相手が日本語めちゃくちゃ巧く、日本語で話し始めて全く会
話も楽しいのだが、次第に時間がたってくるとどうしてもこう、首
根っこがぬるっとしてきて、駄目なんだなあ。なので、結局、相手
には気の毒なのだが、最後は下手な英語で無理やり喋っている。こ
れはどういう現象なのだろうか、どうにも分からん。アジア顔が英
語喋っているのは自然なんだけど、英国顔がアジア語を話している
のがどうにも2006年の時点では珍しすぎということなのだろうか、
単に慣れの問題なのだろうか。誰か説明してやってつかあさい。