9/30/2008

Border Agency

以前本ブログで、外国人労働者のUK受け入れ審査に関して多少文句
を書いた。即ち、労働者本人だけではなく、雇用する企業側を審査し、
合格した企業にはそれなりの便宜を、というものであった。
実にその監査を今週受けた。UKでは今年11月から、 Work Permitと
いう長年続いてきた外国人労働許可のしくみが無くなり、代わりに
Point Base System という新しいシステムが登場する。このシステム
では、雇用主側の企業をより厳しく審査することとなった。企業は申
請書と各種証明を提出し、書類審査を経て、実際に審査官の訪問をう
ける。担当は UK Border Agency という、なかなか、いかつい名前の
政府機関だ。審査の結果は、A、B、失格という3つのクラスに分け
られ、Aは花丸、Bは要改善、失格はバツ。Aか、少なくともBを取
らねば、 11月からはEU圏以外からの人材を雇用することができなく
なる。日系企業顧客からの売上が殆どを占める当社にとって、良質な
日本人技術者の確保は生命線である。早速、手続きを進めてみた。
こうした審査には妙に気合が入る。コンサルを雇うという手もあるが、
一度は全て自力でやってみないと、その後、後進にやって見せること
が出来ない、などという大層なものではなく、どうも単に自分でやっ
てみたいという欲求が強いらしい。近頃は引退したが、従来のWork
Permitも最初の数年間は自身で雇用広告を出して、申請し、許可書を
貰ってきた。今度も社員の皆さんの力を借りながら自分で準備した。
審査官は帰り際に小声で当社のHR(人事)システムを褒めてくれた。
最終結果は数週間後にならないと分からぬので、ぬか喜びは控えよう。
合格した企業に便宜、とまでは行かないが、お墨付きが付くというこ
とで、この新しい制度は歓迎する。腕に自慢のIT技術者の皆さん、
当社の仲間達がお待ちしています。こんな宣伝していいのかしらん。
最近、社員数が30名を超えた。ひとつの目標としてきたことなので、
多少の喜びは隠せない。同時に、このサイズはひとつの壁であること
を理解しているつもりである。壁を越えるには知恵が必要だ。これも
我ら自力でやるしかない。

9/11/2008

The Exorcist

映画をボーっと見るのは好きだ。最新のものはまず見ない。DVDにな
って随分経ってから手を出す。フラガールズは最近見て泣いた。酒席
でたまたま映画の話になり、言いたい俳優さんの名前を思い出せなく
て胸が苦しく、その他のことは考えたくなく話題から一人離れてワイ
ンをちびちび考え込み、急に思い出して顔を明るくし酒席を一瞬沈黙
に陥れるようなことが、年に一度位あるかもしれない。
オカルト映画も好きなほうであろう。ただし映像の汚くないやつが良
い。一番好きなのは名作エクソシストで、今でも年に2,3度は見る。
これは汚いシーンも出てくるが、イントロが素晴らしく、ストーリー
はシンプルながら十分引き込むし、エンディングの余韻も素晴らしい。
35年も前の映画なので若い人は知らぬだろうが、単なる怖い映画で
はないのでお勧め。そういえば、数ヶ月前、瀕死のアリタリア航空
(イタリアのフラグキャリア)のCEOが、組合との交渉が決裂となり、
「この会社を救えるのはエクソシストしかいない」と捨て台詞を残し
て辞任した。日本のフラグキャリアも経営が大変そうだが、「イタコ
しかいない」などとならぬよう頑張って欲しい。
数年前にリングという映画が流行った。僕は米国版の映画を最初に見
たが、これは面白かった。ついでに小説を読んだら、これも面白かっ
たが、気をよくして2作目3作目と読んだら腹が立った。その後、日
本版の映画を見たら、こちらはまあまあだが、主演の松嶋さんは、ち
いとハマッてなかったかも。
最近、物に触れることなしに、気合でもって動かしてみようと思い始
めた。ゴーストという映画があったが、成仏できない仏が練習して空
き缶を蹴れる様になるというあれだ。テーブルの上のアップルとか、
床の上のスピーカーとか、勿論、動かなかった。練習を続けた。そし
て3晩目に突然動いた。何度か失敗するが動く。こうして今では、水
月に力を貯めてエイッ、確実に10センチ程動かせるようになった。
これは大変気持ちがよく楽しい。
無論、夢の中の話である。なぜ最近になって、このような無駄な努力
を夢の中で開始したものか、本人にも一向に分からぬ。そろそろヤキ
が回ってきたということか。読者の皆様で、このような訳の分からぬ
夢を見る方がいらしたら、是非ご一報頂き枕を高くして眠りたいと思
う。

9/06/2008

Humid

前々回の東京出張時に一人の社員が本社を去って行った。前回には、
また別の社員が一人去り、秋葉原では悲惨な殺人事件が起き、内閣は
改造となった。本社では今度の僕の出張時には何事が起こるかと噂し
ていたそうだ。そんなことあるはずが無いだろう、と笑い飛ばしてい
たら、福田内閣がいきなり蒸発してしまった。多少変な気持ちになっ
た。
都内の電車に乗っていると、否応なしに週間XX等の雑誌の派手な宣伝
が、福田総理がどうだ星野ジャパンがこうだと、たくさん目に付く。
僕は星野ジャパンの4位を予想していたので、残念という程ではなかっ
た。TV番組によく出てくる星野さんを何度か見ていたら、メダルは逃
すやろな、と直感した。そのようなことはミニ同居人にさえ伝えてい
なかったので誰も信じてくれないだろうが、この場を借りてとりあえ
ず自慢しておく。しかし、福田さんの蒸発は全く予想できなかった。
雑誌の宣伝は、おぼっちゃまは駄目だとか二世だから無責任だとか書
いている。この蒸発に肩入れする意思は毛頭持たないが、福田さんの
視点からすれば、これだけ支持率が低迷し、リーダーシップ欠如と馬
鹿にされ、折角辞めてやったのに今度は無責任かい、と言いたくなる
かもしれない。いずれにせよ、政治のことは全くわからんが、与党も
野党も、もう少々リアリティを持って仕事をすべきではないかしらん。
東京は9月に入ってもジメジメと不快な気候が続いている。20年前
は真夏でもタイしてジャケット着ていた覚えがあるから、加齢による
弱体化なのか、欧州に長く居すぎた為か、東京の気温が上昇し続けて
きたのか知らぬが、クールビズのお陰でなんとか持ちこたえている。
とは言え、やはりタイが無いと、どうも収まりが悪い。というのは、
タイを締めるべくデザインされているシャツしか持たぬので、どうも
ダサい。僕はおしゃれからは程遠いオヤジだが、これだけはどうにも
しっくりこない。初めてシンガポールに出張した時は意地でタイとジャ
ケットを通した。3日目に頭がふらふらしていたので、これは断念せ
ざるを得なかったが。カラッと乾燥した欧州の空気がそろそろ欲しく
なってきたが、来週早々帰国。