6/28/2008

Title

早いもので、僕のブログはもうすぐ2周年を迎える。これが72度目
の投稿となる。飽きやすい、いい加減な性格の僕が続けてこられたの
は、読者の皆様からのコメント・メールや、編集長の飲ませ食わせ戦
法のお陰である。ありがたや。そろそろ、ロゼの美味しい季節ですね
え、編集長っ。
ちなみに当社は設立から7年が経過した。先週土曜日、全社員の皆さ
んに休日返上で集まってもらい、社内セミナーを実施した。7歳にし
て、社員教育や、目的・理念の共有という、とても重要なことが、本
当に重要なのだと、ようやく理解し始めた。当社の設立は僕がちょう
ど40になった時だった。計算は簡単で、50まであと一歩。モトロー
ラという会社の理念に、常に若返りをはかる、というのがある。いや
はや、すごい理念を掲げたものだなあと思うと同時に、創立者達の鋭
い感性に思い切り共感する。当社はこの先50年100年と長生きし
着実に成長したい。そのための礎を築くことが僕らの当面の仕事であ
る。こんな面白い仕事にはそう簡単に出会うことはないだろう。まっ
たくラッキーであり、このおかしみを社員の皆さんと一緒に感じなが
ら、派手さよりは無骨さを好む組織を大きく育てたいと思う。
ところで、2年前から”社長5年生”というタイトルのままなのは、
やはりおかしいので、変えてもらおうかな、とつらつら考えてみたが、
なかなか浮かんでこない。どなたか良い名前をつけてやって下さい。
ちなみに、父親1年生というのは却下させていただきます。

6/24/2008

Objective

何かしらの問題を解決せしめる際には、その本質を正確に捉え、自己
の主力を本質に集中し取り組むのが上策かと思う。このことにより、
派生する多くの小問題が一気に解決することもある。
日本の省庁オフィスを訪ねたことも無く、その仕事場の雰囲気も全く
知る由も無いが、タクシー接待問題の本質は、官僚のモラル云々とは
別のところにあると思う。24時間営業のジーンズショップの必要性
がどこにあるのか分からぬと思っていたが、官僚の皆さんが、連日の
ように夜中の1時を過ぎまで仕事をせねばならない組織の仕組みも同
様に僕には分からぬ。官僚の皆さんは知的能力が高く、であるからこ
そ、国家レベルの大変重要な仕事を進められている。そんな大事な仕
事をしている官僚の皆さんが、15時間を超える長時間の頭脳労働を
連日続けることに危険を感じる。無論、有事の際には、徹夜が何日続
いてでも、やらねばならない仕事はあるだろう。国会は有事のことで
は無い。睡眠不足や本人も気づいておらぬ精神的な病から、誤った判
断を導き出すことは無いだろうかと心配になる。
タクシー接待問題は民主党の議員が調査を求めたそうだが、なぜ官僚
の皆さんが深夜・朝方にタクシーに乗る必要があるのかという本質に
は触れていない。政権を取ったあかつきには、議員と官僚の関係・構
造を改革し、官僚の実質勤務時間をこれだけ短縮し、その結果タクシー
チケットは全廃する、などというようなクリアーなメッセージは聞こ
えるべくもない。そのオブジェクティブは、あら捜しというと言葉が
過ぎようが、現在のところ、問題の本質とは随分かけ離れたところに
あるのではないか。とは言え、よき一石を投じたと言えよう。これに
より、もし本質が議論され始めれば、会社組織であれば、社長が直接
取り組むべき大きな仕事となろう。官僚組織では誰が取り組むべきな
のか知らぬ。首相か大臣か誰か知らぬが、後進国でもありえぬような
悪文化は、誰かが変革を訴え、改善すべきである。いまどきの若者に、
長時間勤務はウケない。ウケない組織に若い優秀な頭脳は集まらない。
などと、書生のようなことをつらつら考えていたところ、橋下知事、
初の団交出席 - 職員「私たち悪いことした?」 というニュースの
見出しが目にとまった。改革とは、変化とは、かくも人の嫌うところ
かな。

6/15/2008

Excuse

本Blogの読者の皆さんから、コメントやメールを頂戴することがある。
こんな駄文を読んでいただいているのだなあと、とても嬉しい。この
場をかりて、改めてお礼申し上げます。
最近頂戴したものに、同居人という表現は配偶者に対して失礼千万、
100発位殴られるのではないか、とのご意見を頂戴した。まことに
仰る通り。同居人はもとより、親御さんに知れたら1000発位殴ら
れるのではないかと、ひそかに危惧していたのは事実である。
妻、家内、ワイフ、カミサン、とまあ、男が配偶者を表わす単語は人
により様々である。関西の人はヨメと言うケースが多い。僕は昨年、
新郎が仲人と間違われるような結婚式を東京で行い、晴れて家族持ち
となった。本Blogでは、社長5年生というお題があり、家族の話は避
けようと心がけていたが、まあ、そう力む必要も無いか、とも思い始
めた。僕の近頃の仕事は、物を考え、それを文章やシステムという手
段で表すことにあり、そのことに関しては気合が入る。すなわち、本
Blogで配偶者をどう表現すべきか、思い悩むことになるが、その答え
は既に決まっていた。同居人。
僕は函館生まれの、がさつな男であり、ヨメはん、ヨメとはまずまず
書けない。妻というのはなんだか鼻持ちならぬような気がする。家内
というのはどうも偉そうに感じてしまう。配偶者というのはよそよそ
しすぎる。カミサン、カアチャンあたりが、良いと思うのだが、文体
によってはそぐわない。
というようなことを、100倍上手に、かつ弁解がましくなく表現さ
れているのが、五木寛之氏であり、氏のエッセイでは同居人という単
語を貫かれている。僕に文章の感性が多少でもあるとすれば、それが
氏に共感し、猿真似したものなのであります。
そして、赤ん坊が生まれた。またまた思い悩むことになった。これに
関する氏の表現は全く記憶になく、エッセイ本もどこぞへいってしま
い見つからない。考えた挙句、ミニ同居人となった。これは、なにか
可愛い感があり、かつ同居人との一体感も表現できて、我ながら秀作
ではないかと思うが、如何であろうか。
以上、ミニが大きくなって、いつか僕の Blog を読むことがあったと
きに、父ちゃんを100発殴りたくならないよう、この場をお借りし
て下手な弁解をしておこう。

Akihabara Attack

2週間の出張があって、ロンドンに戻ってみると、我がフラットの庭
の緑が濃くなり、咲く花が一段と綺麗になっていた。一番変わってい
たのはミニ同居人で、表情がちっと男らしくなり、動きがやんちゃに
なっていた。2週間というのは、短いようで長いのだなあと思う。
本社オフィスは御茶ノ水から5分、インターネットで探してみると、
秋葉原に最近できたホテルがあり、ここをベースとした。宣伝どおり
確かに多少部屋は広い。とはいえ、やはり狭い。東京のホテルは安く
狭い。もっとも高級ホテルは広いのだろうが、その中間が無い。この
狭さに2週間ぶっ続けで宿泊するのは辛いので、週末を実家のある函
館で過ごすことにした。
前日の金曜夜は本社スタッフの若い皆さんと酒を飲みにいった。みな
意見を持っており、それを伝える意思も強く、なんだか嬉しくなって
飲みすぎてしまった。最後は朦朧、タクシーで降りたはずが、ホテル
がどこなのかわからなくなり、20分ほど真夜中の秋葉原駅周辺を千
鳥足で散策をしてしまった。午前2時位だったと思う。翌日起床した
ら、飛行機が離陸する30分前だった。あっはっは、目覚ましかける
のを忘れていた。ま、休暇のことなので、是非も無し。次便に無事乗
れた。
実家のテレビのニュースで秋葉原で事件が起きたことを知った。恐る
べし、相手にしてくれない世の中、という社会を対象として、無差別
殺傷をプロット、実行に移した。その過程を携帯電話からWebサイト
にアップロードしていたというから驚く。数ヶ月前にも同様な事件が
茨城で発生した。
実家の家族には羽田行きの最終便で戻ると伝えておいた。たっぷりと
函館の海産物などを楽しみ、酒を楽しみ、会話を楽しみ、最後は熱い
温泉で体を清め、東京に戻る時刻となった。最終確認と思ってチケッ
トを見ると、飛行機が離陸する10分前だった。またか?唖然としつ
つ、調べてみると、函館人にとって羽田行きの最終便というのは、J
ALの7時40分が該当するということが判明した。うーん。僕が何
の疑いも持たずに言った最終便は、日に4便飛んでいるANAの最終
便のことで、これが6時55分である。そもそも函館にJAL便があ
ることなぞ忘れていた。是非も無し。とりあえず空港に向かったら、
そのJAL便に空席があった。僕は幸運な奴だなあ、とまた思うと同
時に、僕の馬鹿さ加減は歳と共に増加の一途であり、もう一人では何
もできないなあとも思う。
秋葉原に着いたのは夜10時過ぎだったが、街では何事もなかったよ
うに、ペアがいちゃつき酔っ払いがふらふら歩いていた。僕もコンビ
ニでカップヌードルとビールを買い、翌週の作戦を練りながら、狭い
ベッドにもぐりこんだ。まどろんでいると、東京勤務時代に夢中にな
っていたロックバンドの、”東京シティーは風だらけ”という曲が頭
の中で聞こえ始めた。20年前の当時も社会は風だらけだったのだろ
が、若者達はしなやかさを備えていたように思う。被害者とその家族
の悲嘆を思う。合掌。