12/31/2008

A happy new year

弱い意思はタバコや酒がやめられない事に露呈しているが、いやはや、
随分とサボってしまった。新年のレゾリューションのひとつに入れる
べきかもしれない。そう多く読者がいらっしゃるとは思わぬが、誠に
申し訳なく思っている。少なくとも隔週程度には参加せねばならぬな
ア。
このご時勢で商売が大変なことになっているかというと、さほどにあ
らず。創立以来、渋~い商売をしてきたので、急にどうのこうのとい
うことは無い。とはいえ、この流れには逆らえず、2009年が尋常なも
のとはならぬだろうと思っているが、これまでどおり浮沈に踊らされる
事なく、渋くやっていくしかないのだとも思う。
ところで、大晦日の今日をもって僕は社長業をやめることにした。な
んでや、とよく聞かれるが、たくさんの要素があり2年ほど暖めてき
たアイディアでもある。とりあえず一番大きな理由の、”若返り”と
いう単語を使うことにしている。出来る限りの質の良い仕事を組織に
提供し続けようと思っていることには、なんの変化もない。新年から
は、最終責任者ではなくなるが、経営者の一人として、これまでどお
り精一杯の仕事を提供し、同僚のみなとこの荒波を乗り切りたいを思っ
ている。
ということで、プロファイル名、”社長5年生”の変更が必要となっ
たので、別の素敵な名前をつけて欲しいと、元社長8年生から編集長
へお願いしたい。
A Happy New Year.

11/04/2008

Did you like this table?

週末、東京からヒースローに戻ると冬だった。コート無しでは歩けな
くなり、時計が一時間進んで、一気に夜の来るのが早くなった。我家
のミニ同居人は風邪をひいたらしく、鼻水ずうずうたらして歩いてい
るが、昨年のように病院に3泊旅行することだけはなんとか避けたい。
読者の皆さまも風邪にお気をつけ下さい。
東京に飛ぶ前にヒースローで両替したが、なんと150円だという。
また、デビットカードでは、一日にキャッシュをおろせる限度額まで
しか両替できないという。英国に住む日本人が日本に行く際に辛い世
の中になってきた。まあ、1ポンドが200円というのも実態と離れ
ているわけで、物価を考えると、100円ちょいというところであろ
うか。
蕎麦が大好きで、僕の出張中、東京の同僚達は毎日昼食に蕎麦屋へ連
れて行かされ気の毒である。が、おいしい親子丼と小丼の蕎麦のセッ
トが920円とは安いではないか。200円で計算すると5ポンド弱。
150円だと6ポンドちょい。英国でハンバーガーのミールが4ポン
ド程度だろうか。価値観の違いはあろうが、親子丼セットの価値は、
ハンバーガーの2倍はあると僕は思うので、いずれにしても格安とい
う気がする。
毎日飲むことに変わりは無いが、出張中は外で飲むことになる。この
場合、居酒屋が安い。メニューも豊富で、ワインも置いている。とは
いえ、連日の居酒屋は流石に飽きてくる。オフィスから数分のところ
にイタリアンを見つけたので、同僚と3人で入ってみた。地下だが、
内装がなかなか凝っており、席もゆったり。”このお席でよろしかっ
たですか?”、これは決して質問を受けているわけでは無いのだと最
近判ってきたのでよしとした。ペローニは置いてなかったが、まずは
日本のビールを飲みながら、レンコンの薄揚げなど、頼んだ肴がみな
美味しい。ワインリストは値段がなかなか良心的。
ビールが終わり、まずは2千円ちょいのワインを選んだ。すると、先
ほどビールを飲んでいたコップ、これは相当ガラスが分厚い、歯磨き
に使うようなしろものだったが、これが3個テーブルの上に置かれた。
3人一瞬きょとんとし、誰からともなく周りを見廻し始めた。どうや
らこのお店は、歯磨きコップでワインを飲ませるとのだと判り始めた。
仕方がないので暫く飲んでいたが、どうにも気分が出ない。お姉さん
に、ワイングラスを頂けないだろうかと聞いたところ、まさかそんな
答えはするまいなあと思っていたのが、そのまま返ってきた。すなわ
ち、”高いワインをお選びいただいた場合にのみ・・・”。Oi! ここ
のオーナーはこの現実を知っているのだろうか。グラス以外は満点に
近いのになア。

10/05/2008

Bath

ささやかな至福の時、というのは人によって千差万別であろう。人並
みに僕にもいくつかあるが、一つは長風呂で読書というのがある。お
かげで書棚の本は水をかぶって殆どへろへろ、ぼろぼろであるが、読
めさえすれば姿はどうでも良しと思ふている。最近、”逆読書法”と
いう本を読んだ。最終章だけはアゲインストであった。すなわち、本
は大切に扱うこと、そうした親の姿勢を見て子供は本を読むようにな
る、とのことであるが、僕は本をある程度大事にしている親の姿は見
ていたが、子供の頃には一切本は読まず、まともに読み始めたのは単
身上京し社会に出て、人並みに困ったことが発生しはじめてからのこ
とだった。この章だけは僕にとっては一般解とはなりえないが、とて
も面白い本だった。
風呂の入り方というのも人により千差万別であろう。日本から英国に
越してくると、はて、どうしようかと考えてしまうモノの中に、風呂
はまず筆頭の位を占めるのではないだろうか。湯船の深さは浅く、縦
に長く、寝そべるようにして入浴する。洗い場が無い。不衛生なこと
に、厠が隣に鎮座する。しかし入浴せぬわけには参らぬから、各員、
創意工夫することであろう。
開発過程は省くが、僕の風呂を紹介しよう。まずはスーパーに行って、
Dettol Liquid という液体を購買する。いまどきはカラフルなものも
売っておるが、オリジナルの、茶色のものをお勧めする。次に、風呂
用の塩を購買する。家に戻ったら、欧州式湯桶にお湯を貯め、水が8
割ほど溜まったところで入浴用の塩を適量注ぎかき回す。次に、
Dettleをキャップ一杯分を湯桶に注ぐ。すると、あら不思議、茶色の
液体が白濁する。この刹那にて、僕の入浴法は多分、半数の方には嫌
われるであろう。なにしろ、懐かしいクレゾールの臭いがするからであ
る。
こうして準備ができたら、ざぶりと入り、めがねをかけて、本を読む。
手の届く範囲にタオルを置き、曇っためがねを拭う。なるべく体は動
かさぬほうが良い。動くと湯が冷めるやすい。近頃は、いつでもお湯
が出る瞬間湯沸器によるボイラーも多くなったが、まだまだタンク式
のものも多い。この場合、一度湯を貯めると、小一時間待たぬと湯が
でない。なので、じっと湯に浸かりながら、ひたすら読書する。これ
を小一時間も続けていると、耐えられなくなるぐらい湯が冷える。し
かし、その頃にはタンクの湯も熱くなっており、余裕で足し湯が可能
となるものである。こうして長風呂し、足の裏が白くヘロヘロになっ
たころ、読書で目も疲れていることであろう。ここで石鹸なりをつか
って湯船の中で体を洗い、水を抜きながらシャンプーする。全てが終
わる頃には、水位が随分落ちているので、シャワーでほぼ全身の石鹸
を落とすことができる。Dettolの邪道な使い方であろうが、体は消毒
され、なぜか風呂上り後も暖かさが継続する。世の中うまくできてい
る。

10/02/2008

Bailout

三越ロンドン店が閉鎖になるそうだ。日本人旅行者には、なかなか便
利だったし、地下レストランのざる蕎麦が抜群においしかったので、
大変残念に思っている。
9月には大手の金融企業が複数破綻した。米国を中心に、英国やベル
ギー、アイスランド等でも大手の金融企業がばたばたと倒れ、政府や
民間の救済を受けることとなった。価値の無くなった株の保有者には
まことに気の毒なことだが、どこの株主にも免れないリスクであり、
是非もなし。
以前にも書いたことだが、金融投資は、FSA等の政府系機関が監視の
睨みを利かせても、更にリスキーで複雑な金融メニューが日々作り続
けられ、その利用者が増え続けてきたのでだろう。例えばShort
Selling という方法があり、他人様の落ち目を利用して金儲けができ
るという。これは漸く禁止令が出たそうだが、逆に言うとこれまでは
野放しだったのであり、こういうところに早期に制限をかけることは
できないものであろうか。
産業界では、戦後だけでもオイルショックや円高等、数度の危機を切
り抜けてきた。ところが、サブプライムという単語が飛び回りはじめ
てから、1年以内にばたばたと大企業破綻が発生する。これも僕には
分からぬことだが、金融界というのは、本質的に脆いプラットフォー
ムの上で商売をしてきているような感じを受ける。そういう宿命を背
負っているのだろうか。
毎年クリスマスシーズンになると、その年のシティーの外資金融企業
のボーナスがニュースとなるが、目が飛び出るような数字の羅列とな
る。報酬なので、一度個人の懐に収まれば、その先会社が潰れようが
どうしようが知ったことではない。結局、税金を使って救済が行われ
る。その税金を払っているのは、国民と潰れていない企業である。確
かに儲けるときは儲けるのだろうが、その儲けの前提のあたりで、既
にリアリティーを失っているような感を受ける。
比すると、10年前から数々のbailoutや統合を経てきた日系金融企
業が現在持つリアリティーに力強さを感じる。外資金融に比べて利益
率の低さが指摘されるが、本来どのあたりが、今どきの言葉でいえば
”sustainable"な、適正な利益率なのか、リビューの必要を感ずべき
時なのではないか。

9/30/2008

Border Agency

以前本ブログで、外国人労働者のUK受け入れ審査に関して多少文句
を書いた。即ち、労働者本人だけではなく、雇用する企業側を審査し、
合格した企業にはそれなりの便宜を、というものであった。
実にその監査を今週受けた。UKでは今年11月から、 Work Permitと
いう長年続いてきた外国人労働許可のしくみが無くなり、代わりに
Point Base System という新しいシステムが登場する。このシステム
では、雇用主側の企業をより厳しく審査することとなった。企業は申
請書と各種証明を提出し、書類審査を経て、実際に審査官の訪問をう
ける。担当は UK Border Agency という、なかなか、いかつい名前の
政府機関だ。審査の結果は、A、B、失格という3つのクラスに分け
られ、Aは花丸、Bは要改善、失格はバツ。Aか、少なくともBを取
らねば、 11月からはEU圏以外からの人材を雇用することができなく
なる。日系企業顧客からの売上が殆どを占める当社にとって、良質な
日本人技術者の確保は生命線である。早速、手続きを進めてみた。
こうした審査には妙に気合が入る。コンサルを雇うという手もあるが、
一度は全て自力でやってみないと、その後、後進にやって見せること
が出来ない、などという大層なものではなく、どうも単に自分でやっ
てみたいという欲求が強いらしい。近頃は引退したが、従来のWork
Permitも最初の数年間は自身で雇用広告を出して、申請し、許可書を
貰ってきた。今度も社員の皆さんの力を借りながら自分で準備した。
審査官は帰り際に小声で当社のHR(人事)システムを褒めてくれた。
最終結果は数週間後にならないと分からぬので、ぬか喜びは控えよう。
合格した企業に便宜、とまでは行かないが、お墨付きが付くというこ
とで、この新しい制度は歓迎する。腕に自慢のIT技術者の皆さん、
当社の仲間達がお待ちしています。こんな宣伝していいのかしらん。
最近、社員数が30名を超えた。ひとつの目標としてきたことなので、
多少の喜びは隠せない。同時に、このサイズはひとつの壁であること
を理解しているつもりである。壁を越えるには知恵が必要だ。これも
我ら自力でやるしかない。

9/11/2008

The Exorcist

映画をボーっと見るのは好きだ。最新のものはまず見ない。DVDにな
って随分経ってから手を出す。フラガールズは最近見て泣いた。酒席
でたまたま映画の話になり、言いたい俳優さんの名前を思い出せなく
て胸が苦しく、その他のことは考えたくなく話題から一人離れてワイ
ンをちびちび考え込み、急に思い出して顔を明るくし酒席を一瞬沈黙
に陥れるようなことが、年に一度位あるかもしれない。
オカルト映画も好きなほうであろう。ただし映像の汚くないやつが良
い。一番好きなのは名作エクソシストで、今でも年に2,3度は見る。
これは汚いシーンも出てくるが、イントロが素晴らしく、ストーリー
はシンプルながら十分引き込むし、エンディングの余韻も素晴らしい。
35年も前の映画なので若い人は知らぬだろうが、単なる怖い映画で
はないのでお勧め。そういえば、数ヶ月前、瀕死のアリタリア航空
(イタリアのフラグキャリア)のCEOが、組合との交渉が決裂となり、
「この会社を救えるのはエクソシストしかいない」と捨て台詞を残し
て辞任した。日本のフラグキャリアも経営が大変そうだが、「イタコ
しかいない」などとならぬよう頑張って欲しい。
数年前にリングという映画が流行った。僕は米国版の映画を最初に見
たが、これは面白かった。ついでに小説を読んだら、これも面白かっ
たが、気をよくして2作目3作目と読んだら腹が立った。その後、日
本版の映画を見たら、こちらはまあまあだが、主演の松嶋さんは、ち
いとハマッてなかったかも。
最近、物に触れることなしに、気合でもって動かしてみようと思い始
めた。ゴーストという映画があったが、成仏できない仏が練習して空
き缶を蹴れる様になるというあれだ。テーブルの上のアップルとか、
床の上のスピーカーとか、勿論、動かなかった。練習を続けた。そし
て3晩目に突然動いた。何度か失敗するが動く。こうして今では、水
月に力を貯めてエイッ、確実に10センチ程動かせるようになった。
これは大変気持ちがよく楽しい。
無論、夢の中の話である。なぜ最近になって、このような無駄な努力
を夢の中で開始したものか、本人にも一向に分からぬ。そろそろヤキ
が回ってきたということか。読者の皆様で、このような訳の分からぬ
夢を見る方がいらしたら、是非ご一報頂き枕を高くして眠りたいと思
う。

9/06/2008

Humid

前々回の東京出張時に一人の社員が本社を去って行った。前回には、
また別の社員が一人去り、秋葉原では悲惨な殺人事件が起き、内閣は
改造となった。本社では今度の僕の出張時には何事が起こるかと噂し
ていたそうだ。そんなことあるはずが無いだろう、と笑い飛ばしてい
たら、福田内閣がいきなり蒸発してしまった。多少変な気持ちになっ
た。
都内の電車に乗っていると、否応なしに週間XX等の雑誌の派手な宣伝
が、福田総理がどうだ星野ジャパンがこうだと、たくさん目に付く。
僕は星野ジャパンの4位を予想していたので、残念という程ではなかっ
た。TV番組によく出てくる星野さんを何度か見ていたら、メダルは逃
すやろな、と直感した。そのようなことはミニ同居人にさえ伝えてい
なかったので誰も信じてくれないだろうが、この場を借りてとりあえ
ず自慢しておく。しかし、福田さんの蒸発は全く予想できなかった。
雑誌の宣伝は、おぼっちゃまは駄目だとか二世だから無責任だとか書
いている。この蒸発に肩入れする意思は毛頭持たないが、福田さんの
視点からすれば、これだけ支持率が低迷し、リーダーシップ欠如と馬
鹿にされ、折角辞めてやったのに今度は無責任かい、と言いたくなる
かもしれない。いずれにせよ、政治のことは全くわからんが、与党も
野党も、もう少々リアリティを持って仕事をすべきではないかしらん。
東京は9月に入ってもジメジメと不快な気候が続いている。20年前
は真夏でもタイしてジャケット着ていた覚えがあるから、加齢による
弱体化なのか、欧州に長く居すぎた為か、東京の気温が上昇し続けて
きたのか知らぬが、クールビズのお陰でなんとか持ちこたえている。
とは言え、やはりタイが無いと、どうも収まりが悪い。というのは、
タイを締めるべくデザインされているシャツしか持たぬので、どうも
ダサい。僕はおしゃれからは程遠いオヤジだが、これだけはどうにも
しっくりこない。初めてシンガポールに出張した時は意地でタイとジャ
ケットを通した。3日目に頭がふらふらしていたので、これは断念せ
ざるを得なかったが。カラッと乾燥した欧州の空気がそろそろ欲しく
なってきたが、来週早々帰国。

8/26/2008

Olympics 2012

ロンドンの自宅で観るオリンピックは今回で5回目となるわけだが、
様々なドラマを楽しませてもらった。次回のオリンピックはロンドン
で開催されることもあり、BBCは気合が入っていた。デジタル放送
では常時5、6種類の競技からどれか選んで観戦することができた。
無論、日本人選手の活躍は、決勝に残った選手ぐらいしか見ることが
できないが、チームGBが勝ってもチームJPが勝っても、どちらも
手を叩いて大喜び。2チーム足して金が28個も取れた。大したもの
である。それにしてもチームGBの活躍は凄かった。
日曜はテニス遊びをしていたので、閉会式はTVでは観なかったが、
BBCのサイトに動画があった。ジミー・ペイジが出てきてギターを
弾いていたので相当ビックリした。通常は、ギターで行くのであれば、
庶民派 Queenのブライアン・メイであるべきだろう。僕のZepplin
好きは並大抵のものではないことは以前にも書いたが、やはりTVの
前で立ち上がって、手を叩いて喜んでしまった。が、そのうち、はて
この白髪の、ギターが妙に巧い爺さんを知る人は視聴者のうちいった
い何%いるのだろうかと、心配になってきた。実際、ベッカムが出て
きたときには何ともなしに安心を覚えてしまった。
好みの分かれるセレモニーであったかもしれない。
BBCのサイトでは、五輪旗を受け取った後の、ロンドン市長・ボリ
ス氏のスピーチが観られるが、これが目茶面白いのでお勧め。ボリス
氏は今年の5月に市長となった。僕より3つほど若い。このスピーチ
を見ても思うが、若い政治家はまったく元気が良くて良い。前回の東
京出張時に日本では内閣改造があったが、新キャビネットの平均年齢
が62歳だそうである。英国の内閣はもっと若いだろうと思って調べ
てみたら、現在49歳であり、60歳以上は一人しかいないという。
この違いはどのあたりにあるのだろうと思うなあ。インテルという超
一流会社の社是には、常に若返りを図る、というのが何十年も前から
あるそうだ。若返らなくてもうまくやっている会社もあるし、若返っ
てから芳しくなく元に戻す企業もあるが、いずれにしても若返りを常
に念頭に置いてきた会社の方が、永続するようにも思う。
オリンピックに出場すべき選手を選ぶ方も、その判断は大変だろうと、
気の毒にさえ思える。新旧、どうすべきか実に悩むのだろうなあ、と
思いつつ、ビールを片手にTVを観て手を叩いてよろこんでいる僕は
単純に4年後が楽しみだ。もしかして、生で選手のプレーを観ること
が出来るかもしれない。テニスは、Wimbledonが会場になるのだろう
か?

8/04/2008

Quality

若い頃、法に触れることはやらなんだが、こずるいことは随分して
きた。仕事はそこそここなしてきたが、それをいいことに、酒飲む、
女泣かせる、金つかう、嫌な奴だったと思う。そのしっぺ返しか、
四十になってようやくだが、他人様に迷惑かけず、まっとうにやっ
ていこう、という思いに至りはじめた頃にちょうど当店を創立した。
一流企業にしたいという夢はそんなところに因があるかもしれぬ。
それがかなわぬまでも、一流企業と同等の備えを持ちたいと思い続
けて多少の背伸びをしてきたように思う。当社はありがたいことに
設立当初から一流企業の皆様に大変お世話になり続けており、ご愛
顧を頂いているからであり、困ったときに助け続けられてきた。僕
にとって、会社というのはこうあるべきだというお手本を見せて頂
いてきたわけで、嫌な奴、の対極にある、一流というものを勉強さ
せてもらっている。
例えば、当社が請求書を送付する。本来はそこで全く安心できない
のが残念ながらビジネス世界の実態である。が、お客様が一流企業
だと、まず安心して寝られる。そして3週間後には果報が入る(現
金が銀行に入る)。毎回毎回3週後に入る。これはすばらしいこと
であり、真似すべきことだと思った。そして当社も一流企業のマネ
をして3週目には支払いを心がけている。業者のキャッシュがきつ
いというときは、こちらに余裕があるのであれば、即金でも払って
あげる、小企業の顧客が厳しいときは可能な限り待つ。そういう関
係が永く良いつきあいを構築できるのだとおもう。勿論業績がそこ
そこでなければこうはできまいが、できるうちはそうしようと思っ
ている。
時には当社が3週間さえ待てなくなることがある。そんな我侭をよ
しよし、と聞いてくれ、支払いをさらに早めてくれる!そんなこと
あるわけねーだろ、という声が聞こえるが、実際にそうなので、こ
うした一流企業のお客様達の会社名を挙げたいがここでは控える。
まったくこうしたお客様は文句なしにかっこいい。僕らもそうなり
たくなる所以である。
今の僕らができることは、こうしたお客様から頂戴する対価を超え
るサービスを提供し続け、お使いいただくことである。一流企業で
はないけれども、一流のサービスは提供することはできる。今回、
多少旅慣れしてきた東京出張中に、当社東京本店、飲み屋、レスト
ラン等でのサービスを楽しんで観察してきた。本屋で帝国ホテルの
サービスを書いたものを入手した。皆なかなか興味深く、僕が関心
を持ってきたことの一つ、サービス品質ということに、更に関心が
深まったように思う。

7/29/2008

JPY 220

東京人が今年は厳しいと言ふている暑さの中に居る。出張前に、7月
下旬の東京は暑だろうとそれなりの心構えはしてきたが、天気予報な
どをみると、東京以上に暑い地域が日本にはいくらでもあることに気
づいた。
日本は暑い。例外として、北部の一部はそれほど暑くもない、という
のが正確なところであろう。函館出身の在英18年のぼくにはもちろ
ん残酷なぐらい厳しい。バテぬよう、毎夜ビールなどできちっと涼み
ながら、残りの出張仕事を進めようと思う。
6月に来た前回の出張は1年ぶりのものだったので、いつもどおり肩
に力が入っていたが、今回は大分東京に慣れてきたような気がする。
ざっと、その慣れ具合を並べてみよう。
- 東京到着二日目には、エスカレーターで、さほどの疑問なく左側に
すっと立てるようになった。
- 外出時は、ハンカチを常時携帯するようになった。
- 風呂がほしいと思わなくなった。
- Suicaカード(JR系)が地下鉄でも使えることが分かったので、
Pasmoカード(東京メトロ系)を返却した。こうしたカードは定期入
れに2枚重ねると誤動作するので不便だった。ありがたい。ちなみ
に、Oyster と Suica を重ねるとどうなるか、明日にでも試験して
みようと思う。
- ちなみに東京メトロとは、営団地下鉄が民営化した後の通称である
そうだ。
- 朝9:30を過ぎると、ホームの喫煙場所でタバコが吸える駅があり、
毎朝助かっている(阿佐ヶ谷)。
- 街にいる人に道順を聞かずとも、プランタン前に一人で行けるよう
になった。
同時に慣れないものがある。最もまずいのは、すべてGBPに計算し
なおしてしまい、なんて安いのだと、無駄遣いしちゃうことである。
これはなかなか直らないが、ふと気づいた。そうだ、英国に居るとき
には、いつもJPYに計算しなおし、なんて高いのだと節約すれば・・・

7/17/2008

Being wild

三島由紀夫氏の産湯の記憶を読んで、ほんまかいなと思っていたが、
女流作家が同じような体験をエッセイに書かれているのを数年前に読
んだ。将来作家となるような乳児は、すでに頭の構造がどこか違うの
だろう、ありえるのだなあと思った。
凡人の僕が記憶ということを始めたのは、5、6歳前後だと思うが、
その頃家族が生活していたのは北海道の南部にある泉沢という小さな
村だった。車で函館市から西に1時間弱走ると、木古内という町に至
るが、その一部が泉沢というなかなか洒落た地名の村落である。海と
山に挟まれたごくわずかな平地、その幅は200メートルも無い思う
が、海岸線に沿うように国道228号線が走っており、この両脇に二
百世帯もあっただろうか、小さな家屋が建ち並ぶ村だった。山沿いに
は国鉄の線路が走っており、その脇に円筒形の小学校が建ち、体育館
の裏口には教育職員住宅が3件並んで建っていた。最も線路に近いの
が僕が数年間暮らした家だった。山まで徒歩20秒、海岸まで徒歩1
分という、実にワイルドな環境だった。
夕食やら家の手伝いに無理やり呼び帰されることはあったのだろうが、
子供達が外で遊ぶのに、親がついてくるということは皆無であった。
山や川で多少危ないこともあったのだろうが、年長の子がリーダーと
なり、なんとかする。この村の子達が10歳にもなれば、万一山で一
人で迷子になっても、雨さえ降れば1週間や2週間は難なく生き延び
るだろうと思う。喰える草の茎や花の葉等の種類を知っており、蕗の
葉を使った雨水の飲み方を知っているからであり、川に出くわしたら
しめたもの、と小さな頭が覚えているからである。もっとも、ヒグマ
に出くわしたら死んだふりをするという迷信は頭に入っていたが、運
よく経験したことは無かったので、本当にワークするのかどうか分か
らぬ。いずれにせよ、当時の日本の田舎の子供達というのは、おおよ
そこうしてワイルドに育ったのではないだろうか。そんな話を都会育
ちの同居人にすると、東京でも子供達が広場で遊んでいるところを親
がいちいち見ていたということは、やはり皆無であったらしい。
我が家のミニ同居人の学校のことをそろそろ考えねばならぬという。
まだ八ヶ月だというのに。いや、生まれる前から入学予約を入れるこ
ともあるそうな。いやはや。泉沢には幼稚園も無かった。円筒形の小
学に入学したら同級生は20名だった。社会性という意味でわが身を
振り返ると、確かに若干問題があるやもしれぬ。。。とはいえ、今3
0名の社員の皆さんと組織的な仕事をさせてもらっているし、友人達
にはとてもよくしてもらっている。ミニをナーサリーに入れることが
不可欠なのかどうも分からぬが、多分入れることになるのかなあとも
思う。思うが、泉沢村で育った父には、どうにもミニが気の毒なので
ある。学校の庭で先生や親の目の届く範囲で遊ぶのもやむをえないが、
少なくとも年に2度や3度は、少年達だけで山を探検したり、川で多
少勇気が必要な遊びを経験させてあげたいなあと思う。

7/07/2008

No.2

東京の友人が Jake Shimabukuro というウクレレ奏者のCDをお土産
に持ってきてくれた。アルバム・タイトルと一曲目はThe Beatles の
In my life 。無難。ふーんと思って2曲目を追ったら Going To
California とあるではないか。えっ、と思って早速聴いてみたら、
本当にZeppelinだった。Zepを選ぶというだけで僕はこのミュージシャ
ンを一気に評価した。全曲聴いて、本当はZepを1曲目に選びたかっ
たのではないだろうかと思った。
不精なせいか保守的なせいかは知らぬが、一度好みのアルバムに出会
うと、1年程同じものを延々と聞き続くことになる。Jakeさんには暫
くお世話になりそうだ。
日曜日にはこの友人をテニスに誘い、暫くぶりに一緒にプレーした。
サーブ練習が終わって玉を集めながら彼曰く、吉田さん、玉が重くな
りましたねえ。あら、そうかなア、てれるゼ、などとひとりごちてい
たら、そうなの雨で玉がぬれちゃったア、とコーチ。本当にこのコー
チは素敵な人だ。
そして午後はビール・ワインを片手に、コーチもミニも皆でウィンブ
ルドンのファイナルTV観戦である。これをしないと一年が終わらな
い。
ジャスティンの突然の引退があって、僕にとっての今年の女子トーナ
メントは精彩を欠いた。男子はご覧になった方も多いと思うが壮絶な
ファイナルだった。なんとしてもボルグをぬいて6連覇したかっただ
ろうと思うし、僕もそうしてほしかった。世代は変わらねばならぬ、
わかっている。しかし、一回だけ待ってほしかったなア。
フェデラーのテニスは基本形の究極であり、基本形がいかに強く美し
いものかを証明し続けてきた。プロのアスリートというのは、素人が
観たいシーンを提供することがその仕事の本質であろう。フェデラー
には、その仕事にやりがいを感じ続けてほしい。急に引退することは
考えないで欲しい。ランクなどはもうどうでもよい。No.2に落ちたら、
新No.1にとって、これほど嫌なNo.2はいないであろう。そんなあたり
が素人にはとても観たいところなのである。基本の美を永く提供し続
けてほしい。

6/28/2008

Title

早いもので、僕のブログはもうすぐ2周年を迎える。これが72度目
の投稿となる。飽きやすい、いい加減な性格の僕が続けてこられたの
は、読者の皆様からのコメント・メールや、編集長の飲ませ食わせ戦
法のお陰である。ありがたや。そろそろ、ロゼの美味しい季節ですね
え、編集長っ。
ちなみに当社は設立から7年が経過した。先週土曜日、全社員の皆さ
んに休日返上で集まってもらい、社内セミナーを実施した。7歳にし
て、社員教育や、目的・理念の共有という、とても重要なことが、本
当に重要なのだと、ようやく理解し始めた。当社の設立は僕がちょう
ど40になった時だった。計算は簡単で、50まであと一歩。モトロー
ラという会社の理念に、常に若返りをはかる、というのがある。いや
はや、すごい理念を掲げたものだなあと思うと同時に、創立者達の鋭
い感性に思い切り共感する。当社はこの先50年100年と長生きし
着実に成長したい。そのための礎を築くことが僕らの当面の仕事であ
る。こんな面白い仕事にはそう簡単に出会うことはないだろう。まっ
たくラッキーであり、このおかしみを社員の皆さんと一緒に感じなが
ら、派手さよりは無骨さを好む組織を大きく育てたいと思う。
ところで、2年前から”社長5年生”というタイトルのままなのは、
やはりおかしいので、変えてもらおうかな、とつらつら考えてみたが、
なかなか浮かんでこない。どなたか良い名前をつけてやって下さい。
ちなみに、父親1年生というのは却下させていただきます。

6/24/2008

Objective

何かしらの問題を解決せしめる際には、その本質を正確に捉え、自己
の主力を本質に集中し取り組むのが上策かと思う。このことにより、
派生する多くの小問題が一気に解決することもある。
日本の省庁オフィスを訪ねたことも無く、その仕事場の雰囲気も全く
知る由も無いが、タクシー接待問題の本質は、官僚のモラル云々とは
別のところにあると思う。24時間営業のジーンズショップの必要性
がどこにあるのか分からぬと思っていたが、官僚の皆さんが、連日の
ように夜中の1時を過ぎまで仕事をせねばならない組織の仕組みも同
様に僕には分からぬ。官僚の皆さんは知的能力が高く、であるからこ
そ、国家レベルの大変重要な仕事を進められている。そんな大事な仕
事をしている官僚の皆さんが、15時間を超える長時間の頭脳労働を
連日続けることに危険を感じる。無論、有事の際には、徹夜が何日続
いてでも、やらねばならない仕事はあるだろう。国会は有事のことで
は無い。睡眠不足や本人も気づいておらぬ精神的な病から、誤った判
断を導き出すことは無いだろうかと心配になる。
タクシー接待問題は民主党の議員が調査を求めたそうだが、なぜ官僚
の皆さんが深夜・朝方にタクシーに乗る必要があるのかという本質に
は触れていない。政権を取ったあかつきには、議員と官僚の関係・構
造を改革し、官僚の実質勤務時間をこれだけ短縮し、その結果タクシー
チケットは全廃する、などというようなクリアーなメッセージは聞こ
えるべくもない。そのオブジェクティブは、あら捜しというと言葉が
過ぎようが、現在のところ、問題の本質とは随分かけ離れたところに
あるのではないか。とは言え、よき一石を投じたと言えよう。これに
より、もし本質が議論され始めれば、会社組織であれば、社長が直接
取り組むべき大きな仕事となろう。官僚組織では誰が取り組むべきな
のか知らぬ。首相か大臣か誰か知らぬが、後進国でもありえぬような
悪文化は、誰かが変革を訴え、改善すべきである。いまどきの若者に、
長時間勤務はウケない。ウケない組織に若い優秀な頭脳は集まらない。
などと、書生のようなことをつらつら考えていたところ、橋下知事、
初の団交出席 - 職員「私たち悪いことした?」 というニュースの
見出しが目にとまった。改革とは、変化とは、かくも人の嫌うところ
かな。

6/15/2008

Excuse

本Blogの読者の皆さんから、コメントやメールを頂戴することがある。
こんな駄文を読んでいただいているのだなあと、とても嬉しい。この
場をかりて、改めてお礼申し上げます。
最近頂戴したものに、同居人という表現は配偶者に対して失礼千万、
100発位殴られるのではないか、とのご意見を頂戴した。まことに
仰る通り。同居人はもとより、親御さんに知れたら1000発位殴ら
れるのではないかと、ひそかに危惧していたのは事実である。
妻、家内、ワイフ、カミサン、とまあ、男が配偶者を表わす単語は人
により様々である。関西の人はヨメと言うケースが多い。僕は昨年、
新郎が仲人と間違われるような結婚式を東京で行い、晴れて家族持ち
となった。本Blogでは、社長5年生というお題があり、家族の話は避
けようと心がけていたが、まあ、そう力む必要も無いか、とも思い始
めた。僕の近頃の仕事は、物を考え、それを文章やシステムという手
段で表すことにあり、そのことに関しては気合が入る。すなわち、本
Blogで配偶者をどう表現すべきか、思い悩むことになるが、その答え
は既に決まっていた。同居人。
僕は函館生まれの、がさつな男であり、ヨメはん、ヨメとはまずまず
書けない。妻というのはなんだか鼻持ちならぬような気がする。家内
というのはどうも偉そうに感じてしまう。配偶者というのはよそよそ
しすぎる。カミサン、カアチャンあたりが、良いと思うのだが、文体
によってはそぐわない。
というようなことを、100倍上手に、かつ弁解がましくなく表現さ
れているのが、五木寛之氏であり、氏のエッセイでは同居人という単
語を貫かれている。僕に文章の感性が多少でもあるとすれば、それが
氏に共感し、猿真似したものなのであります。
そして、赤ん坊が生まれた。またまた思い悩むことになった。これに
関する氏の表現は全く記憶になく、エッセイ本もどこぞへいってしま
い見つからない。考えた挙句、ミニ同居人となった。これは、なにか
可愛い感があり、かつ同居人との一体感も表現できて、我ながら秀作
ではないかと思うが、如何であろうか。
以上、ミニが大きくなって、いつか僕の Blog を読むことがあったと
きに、父ちゃんを100発殴りたくならないよう、この場をお借りし
て下手な弁解をしておこう。

Akihabara Attack

2週間の出張があって、ロンドンに戻ってみると、我がフラットの庭
の緑が濃くなり、咲く花が一段と綺麗になっていた。一番変わってい
たのはミニ同居人で、表情がちっと男らしくなり、動きがやんちゃに
なっていた。2週間というのは、短いようで長いのだなあと思う。
本社オフィスは御茶ノ水から5分、インターネットで探してみると、
秋葉原に最近できたホテルがあり、ここをベースとした。宣伝どおり
確かに多少部屋は広い。とはいえ、やはり狭い。東京のホテルは安く
狭い。もっとも高級ホテルは広いのだろうが、その中間が無い。この
狭さに2週間ぶっ続けで宿泊するのは辛いので、週末を実家のある函
館で過ごすことにした。
前日の金曜夜は本社スタッフの若い皆さんと酒を飲みにいった。みな
意見を持っており、それを伝える意思も強く、なんだか嬉しくなって
飲みすぎてしまった。最後は朦朧、タクシーで降りたはずが、ホテル
がどこなのかわからなくなり、20分ほど真夜中の秋葉原駅周辺を千
鳥足で散策をしてしまった。午前2時位だったと思う。翌日起床した
ら、飛行機が離陸する30分前だった。あっはっは、目覚ましかける
のを忘れていた。ま、休暇のことなので、是非も無し。次便に無事乗
れた。
実家のテレビのニュースで秋葉原で事件が起きたことを知った。恐る
べし、相手にしてくれない世の中、という社会を対象として、無差別
殺傷をプロット、実行に移した。その過程を携帯電話からWebサイト
にアップロードしていたというから驚く。数ヶ月前にも同様な事件が
茨城で発生した。
実家の家族には羽田行きの最終便で戻ると伝えておいた。たっぷりと
函館の海産物などを楽しみ、酒を楽しみ、会話を楽しみ、最後は熱い
温泉で体を清め、東京に戻る時刻となった。最終確認と思ってチケッ
トを見ると、飛行機が離陸する10分前だった。またか?唖然としつ
つ、調べてみると、函館人にとって羽田行きの最終便というのは、J
ALの7時40分が該当するということが判明した。うーん。僕が何
の疑いも持たずに言った最終便は、日に4便飛んでいるANAの最終
便のことで、これが6時55分である。そもそも函館にJAL便があ
ることなぞ忘れていた。是非も無し。とりあえず空港に向かったら、
そのJAL便に空席があった。僕は幸運な奴だなあ、とまた思うと同
時に、僕の馬鹿さ加減は歳と共に増加の一途であり、もう一人では何
もできないなあとも思う。
秋葉原に着いたのは夜10時過ぎだったが、街では何事もなかったよ
うに、ペアがいちゃつき酔っ払いがふらふら歩いていた。僕もコンビ
ニでカップヌードルとビールを買い、翌週の作戦を練りながら、狭い
ベッドにもぐりこんだ。まどろんでいると、東京勤務時代に夢中にな
っていたロックバンドの、”東京シティーは風だらけ”という曲が頭
の中で聞こえ始めた。20年前の当時も社会は風だらけだったのだろ
が、若者達はしなやかさを備えていたように思う。被害者とその家族
の悲嘆を思う。合掌。

5/24/2008

Formal Logic 2

吉田のBLOGは堅いぞ、とのご指摘を頂戴することが多い。普段ボケて
いるので、僕を見知らぬ読者の皆さんに多少でもカッコつけてみたい
、という田舎者の願望がモロに出ているのかもしれない。そういう反
省を含めて今回は柔らかい話にしよう。ついでに文体も変えてみよう
かいな。
最近、形式論理学のあまりの厳格さに慄き、悔し紛れに身近な命題で
遊ぶ事を覚えたのは、前回のBLOGで書いた通りです。それ、
ロンドンの地下鉄の正常稼働率は高い
ロンドンの地下鉄の正常稼働率は高くない
これはロンドン近辺に住む人や、旅行時に苦労したであれば、色即是
空の日本人とて、積極的に排中律の原則に従い、後者が真であり、前
者が偽であり、その中間は存在しないことに、ウンウン、とうなずい
てくれると思います。
そこで、地下鉄で尿意をもよおしたらどうするかという問題が発生し
ます。地下鉄に乗り込む前であれば、自宅で済ますなり、去る際にパ
ブで済ますなり、大きな問題とはなりません。しかし、乗りこんだ後
の地下鉄が、その後、正常に運転しなくなることがあります。信号系
統の故障が良い例ですが、これはいつ起こってもおかしくないのが現
状です。
信号系統故障の特徴として、のろのろ運転ではあるが、前に進むケー
スが多い。これに対する解決法は、ためらわず次の駅で降りることで
しょう。この際、地下鉄運賃の高額なことは涙をのんで忘れるしかあ
りません。降りなかったために大きな後悔をするよりは、降りたほう
がよろしい。しかし、もう一つ命題があります。それ、
ロンドンには公衆トイレが十分ある
ロンドンには公衆トイレが十分ない
こちらも、後者が真であることに異をはさむ方は、まずいないと思い
ます。しかし、焦ることはありません。以下は女性にも適用可能な解
決法です。
駅を出たら、まず近辺にパブが見えるでしょう。トイレはまず地下か
1st Floor にありますので、直行します。パブによっては、公の場で
あるという良識の希薄な、セコいパブもあり、 'Customer only' な
どと店員に言われることもあるでしょう。この際も、こやつのセコさに
議論を吹っかけたりする時間は惜しみ、とりあえずカウンターで見せ
金しつつビールをオーダーし、断ってからトイレに急ぎましょう。そ
の後、きちんと金を払い、勝利のビールを飲んでから再び地下鉄にの
るかどうかは、個人の良識次第。パブ以外には、マクドナルドなどの
ファーストフード・レストランも、強力な助っ人となります。
しかし、これで解決できないこともあります。それは、乗り込んだ地
下鉄が、途中でウンともスンとも前に進まず、それが駅と駅の間であ
り、ひたすら待つしかない状態である時に、じわじわと、もしくは意
外な程、急激に尿意が高まる状態です。これは悲惨であります。解決
法は、ただ一つだけあり、死んだ気になって我慢する事でございます
。尿意にも2種類あり、所謂、大の場合と小の場合でございます。前
者の方が我慢が利きにくい、という特徴を持っていますが、前者は、
更に2種類に詳細分類されます。所謂、固いほうと、柔らかい・・・
僕はここにおいて、襟を正し、人の名誉と尊厳について考えざるを得
ず、おのずと文体も堅くならざるを得ない。前者の場合であり、かつ
詳細分類が後者である状況と、地下鉄がウンともすんとも動かないと
いう、極度の不運かつ絶望的な状況に置かれ、死ぬ気になっても、ど
うしても解決せしめることが出来なかった悲惨さを思ふてみよ。詳細
な予想描写は差し控えるが、当事者、周りの乗客。地下鉄はウンとも
すんとも動かない。赤子は激しく泣く。真夏のセントラル・ラインの
車内は40度近い。日本ではまずありえない事故だが、ロンドンであ
りえないとは言えない。幸い僕はこれまでにそうした惨状を目撃した
ことは無い。ちょっと危険な状況になったことはあったが、自分が最
終的当事者になったことも無い。しかし、過去にそうした現場に出く
わしていたなら、その後の僕の人生は、もう少し哲学的なものになっ
ていたかもしれぬ。ウーン、柔らかいのは怖い。

5/19/2008

Formal Logic

お客様は神様である (AはBである)
お客様は神様ではない (AはBではない)
最近読んだ数学の本が面白かった。上の例は、基本を確か中学校で習
ったはずである。僕の場合は、パチンコやバイク等の余暇に、もう少
々難しい背理法などを習い、その後すんなりと情報処理学に進んだ。
仕事人になってからは、さらにデジタル回路設計やソフトウェア開発
を通じて、いやがおうにも true か false しかとりえな世界で仕事
もした。
この2つの命題は、論理的に共に成立することができない。共に成立
しないこともできない。できない論理は議論の対象になりえず、その
場でポイされる。数学や西洋哲学の世界では、論理は絶対であり厳格
である。
日本人が、論理性を重んじる人達(欧米人が代表格)と一緒に仕事や
交渉を行う際、論理性に関するベースの違いが、しばしば問題となっ
て現れる。
いったい、何を言っているのか、よく分からないと言われる。Yes/No
がどうしてはっきり言えないのか。または、言ったあとで、どういう
論理で後で翻すのか。これを、聖徳太子の時代まで遡り、日本人の思
考ベースにあるものを懇々と説明しても、徒労に近い作業となるであ
ろう。なぜなら、我々は資本主義社会の中で仕事や交渉を行っている
のであり、それは厳格な論理性に基づいてのみ成り立つ社会だからで
ある。そのような社会で、色即是空などと言い出だしても、残念なが
らポイっと捨てられる。中学で習った数学を思い出し、論理的な説明
と行動に努めるしかオプションは無いだろう。
上の例は、矛盾律(the law of contradiction)という基本原則である
が、これに続くのが排中律(the low of excluded middles)という原
則である。
お客様は神様である
 または
お客様は神様ではない
以外にない、という原則である。即ち、「神様でもあり、同時に神様
でもない」とか、「お客様は神様と神様でないところの中間にある
」という曖昧さは、一瞬にしてポイっと捨てられるという、それはそ
れは峻厳な原則である。形式論理学とは、近代資本主義とは、ここま
で厳くせなあかんのかいな、とぼやきたくなる。まさに、是非も無し。
悔しまぎれに、身の回りで矛盾を感じていることを、形式論理学的に
吟味して遊んでいる。
同居人は権力者である。
同居人は権力者ではない。
家族や友人との社会、即ち契約の必要性が薄い社会では、排中律でポ
イっとするのは無理があろう、と思うのは日本人だけなのだろうか。

5/07/2008

Johnson Wins

ここ10年ほど、一つの腕時計を年中使っている。IWCの入門機だそ
うであり、そう高いものではなかったが、僕にはこの入門機が気に入っ
ている。いや、他に欲しいものを見つけられない、というのが2個目
をなかなか入手できない原因になっている。
骨細であり、手首も例外ではない。悔しいかな、直径の大きな腕時計
や、金属製のごついバンドは、全く似合わないことを認めざるを得な
い。これは腕時計コレクターになるには致命的な欠陥ではなかろうか。
直径が小さ目で、皮バンドのみ、という条件に合う腕時計となると、
女性用を除いては、選択肢があまり無い。同居人が、黒い文字盤だと
大きめでもなんとかなるという。しかし、更に汗かきである。どちら
かというと痩せ型なのだが、発汗はげしく、テニス仲間をしばしば驚
かす。汗と金属のコンビネーションはどうにも僕には耐えがたく、短
距離陸上選手が金のネックレスなどしているのが、不思議だと思って
しまう。結局、小さめ皮バンドに戻ってしまう。どなたか良いお勧め
がありましたら教えてくだされ。
時計を探しに行った訳ではないが、同居人に押されてビスター・ビレッ
ジというアウトレットに行かされた。バンクホリデーの最終日に、家
を11時に出たというのがそもそも間違いであった、というのが後で判
明した。近辺までは、M40モーターウェイもすいすいだったが、ラ
スト5マイルに1時間かかった。結局、所要時間2時間半。同居人は
母乳の影響か、腹が減ると、どうにもならぬらしい。ミニ同居人は、
飽きて泣き出す。やっと着いたが、レストランが満席で、長いキュー
が出来ている。この二人には地獄のキューであろう。機転を利かせて
入ったつもりの、アウトレットの外にあるレストランで、今度はオー
ダーからたっぷり1時間待たされた。結局、家を出てからショッピン
グらしきものを開始するまで5時間が経過していた。ショッピングに
2時間。帰りはわりと順調で1.5時間。ガソリン代が数十ポンド。
僕にはどう考えても、さっぱりわからぬ。家に戻って、腕時計を見て、
結局9時間がかりのショッピングだったなあ、と言うと、そんな時間
なんて気にしないのっ、と言う。わからぬが、やらねばならぬ事なの
であろう。是非も無し。
連休明けの翌朝、いつものように East Putney で地下鉄に乗った。
信号系の故障で遅れが出ている、と通知版に書いているが、割とあっ
さりと電車が来たので乗り込んだ。4つ先の駅に到達するまで40分
かかった。そして、その駅でさらに停車状態が10分程経過した。ロ
ンドンに住む方は皆うなずいて頂けると思うが、こういうときの英国
人は、実に忍耐強く、乗客一人一人が立派な殿様に見えてくる。小者
の僕は耐え切れなくなって電車を降り、次の乗換駅である Earls 
Court へ徒歩で移動した。他の地下鉄線を選んだものの、時計を見る
と既に9時前のラッシュアワーだ。来る電車全て満席で降りる人も少
なく、なかなか乗れない。3台目になんとか乗り込むが、次の乗換駅
でも同じことを繰り返さねばならなかった。
ようやくの思いでオフィスについて腕時計を見ると、家からの所要時
間2時間弱。ロンドン恐るべし。先週、みごと当選した新ロンドン市
知事のジョンソンさんに申したし、時は金なり。週明け朝の地下鉄の
遅れは、その一週間の士気をおとしめ、市の経済的損失たるや莫大な
ものでござる。なにとぞ地下鉄の信号システムを根本的に見直し、改
良して下され。

4/27/2008

Marathon

巷では聖火リレー茶番劇が騒がしいが、知人が今年もロンドンマラソ
ンを完走した。ご存知の方も多いと思うが、ロンドンマラソンは大き
なチャリティー・イベントでもある。彼女は、これまで何度もこれに
挑戦し、完走し、さまざまな募金を行われている。その高尚な数時間
を死ぬ思いで駆け抜けられている頃、僕はある行事に参加し、ワイン
片手に、赤ら顔でぶらぶらとケント州の公園を散歩していた。なんた
る違い。
”えらい”、という日本語のニュアンスは、英語に翻訳しにくいと、
どこぞの本に書かれていたが、確かにそうかもしれない。彼女は正に、
えらい。これまでにも挑戦をやめようと思ったこともあるかもしれな
いし、いつかはストップせねばならない難行である。それを数度も続
けたというのは、文句なしにえらい。きっと、なにかしらの抗いので
きない使命感を覚える人なのではないだろうか。これはえらい。
えらい、の別のニュアンスに、偉くなった、課長になった、社長にな
った、というのがある。偉い人の接待は疲れる、などと使われる場合、
その地位が主な対象なのであり、個人の知力・人徳などは対象の外に
ある。偉くなった、なぜなったか、と考えたときに、なにかしらの抗
いのできないご指名があって、たまたま自分がその役割を一時的に演
じていると思えば、地位に固執することもなく、地位を利用した不正
を思いつくことも無く、指名されたとおりの仕事をきちんと進められ
るであろう。duty という単語は日本語になりにくいなあと感じてい
るが、まさに dutyを果す、ということである。僕は稲盛さんの本を
あまり読まぬが、このあたりは全く同感、えらいなあと思う。
普段あまり意識したことは無いが、社長業なんぞは、なんの得も無い
なあとは感じてきた。チャリティーとまでは言わぬが、たまたま当社
を創ってしばらく社長業を営むというのは、神か仏か知らぬが、何ら
かに与えられた自分の役割なのだろう、と思えば、昇給が少ないと訴
えてくる社員への対応や、首を申し渡す時の辛い沙汰も、いたって冷
静に対処が・・・できていないのが情けない。やはり僕はワイン片手
にぶらぶらしながら、これは辛かっただの、これはすごかっただの、
一喜一憂の俗な毎日を、これからもマラソンする事になるのであろう。
是非も無し。

4/12/2008

6 x 200 = 1,200

おてんと様は下界の人間の期待とは独立して活動しており、夏時間と
なろうが、折角のイースター4連休であろうが、雨を降らしたければ
そうするし、4月になろうとも容赦なく雪を降らす。今年は特に文句
のひとつも言いたくなるような天気が続いているが是非も無し。UKで
最もよい気候と言われる5,6月が昨年のような悲惨なことにならな
ければ良いと思うが。
政治の世界も人間の期待とは独立して活動しているのではないかと、
再認識せざるを得ないことが世界のあちこちで散発する。近頃やり切
れない気持ちになるのは、瀕死の銀行に対する、官による救済である。
中小企業の経営者は、少なくとも従業員に給与を支払い続けるべく、
知恵を絞り、こつこつと小さな金を、懸命にやりくりして営業してい
る。税率が変われば更に工夫をかさね、legislationが変われば仕組
みを変え、情報漏洩と聞けばそれなりの対策する。そして経営が失敗
したら一巻の終わり。誰もが是非も無し、と思うだけで、危ないとき
には銀行も誰も傘を貸さない。現代の資本主義社会でのビジネスとは、
こうした厳さが必ず伴う。
当社の売上げは、昨年度、円でいうと約6億円だった。社員30名と
その家族が生活できる数字である。このまま営業を続ければ、200
年後には1,200億円となる。無論、僕が三途の川を渡ってから百
数十年を経過した頃であろう。こうした大金を3年の間に、利益では
なく、損失として作ってきた経営者というのは、逆の経営結果を出せ
うる人たちなのかもしれないが、今回の賭けは負けと出た。ビジネス
には多かれ少なかれリスクが伴うが、当時の都議会はリスクの方を選
択したのであり、まさに是非も無し。
そして、再生計画に全く説得性の無い破綻銀行に1、200億円の税
金の注入が、数度の会議を経て議決されたという。子供達の間でさえ、
広場や砂場で遊ぶとき、負けたビー玉は返ってこない。ズルをすると、
友たちにズルーイと言われる。ズルをしないまでも、200年分のビー
玉を損失しちゃうような遊び方を避ける知恵は、どの子供でも持って
いる。銀行というのは非常に特殊なビジネスのようで、これまでにも
国が救済するということが何度も行われてきた。その度に、中小企業
のオヤジたちは、ビー玉ってえのは、本当は返ってこないんだよなあ、
との溜息を抑えられない。
プロを集めて作った銀行である。当然、その品質はどうあれ、なんら
かのリスク回避のコントロールが、複数存在したはずであるが、なぜ
ワークしなかったのだろうか。さらに日本には、金融庁という、外部
の強力なモニター機能が存在するが、なぜこうなるまでワークしなかっ
たのだろう。 1,200億というのは、金融庁にとっては小さすぎる数字
だったのだろうか。僕の理解の範囲を超える、もっと生々しい原因が
積み重なったのだろうか。
この零細企業に不正が起きないように、事故が起きないように、当社
のサービス品質がなるべく個人に因らないようにと、社員が懸命に稼
いできてくれた、なけなしの金を使わせて貰って、コンサルタントを
雇い、基本術を教えて貰い、毎日コツコツと当店に合ったシステムを
考える。中小企業の経営者達はそのような努力を毎日続け、インパク
ト度でいえば、100万円程度の事故をいかに防ぐか工夫しているの
だ。1,200億注入、はあ~。

3/23/2008

Tennis

当社の社員の3名がその翌朝土曜日、 Argos へ走ったという。その
前知識を仕入れ、僕も Amazon へインターネット上で走りオーダーし
た。ずっと気にはなっていたのだ。あれだけ巧みなTV宣伝をしばしば
見せられて、多少でもおもちゃ好きなオヤジなら、気にならぬわけが
ない。しかし1分を惜しむ毎日が昨年から続き、なんの手当てもでき
ずにいた。
その日は当社の新人歓迎会にて、シティーのパブで飲み始めた。ちと
ポッシュなパブであったが、それが置いてあって自由に遊べるのであ
った。今思えばこれを設置したフロア長は大したものだ。他の客がぎ
ゃあぎゃあ遊んでいるのを見ながらその凄さに呆れてしまった。いっ
たいなんなんだこのシステムは。加速度センサーというかジャイロと
いうか、昔は高価で巨大だったものが、こんな小さなコントローラー
に収まるようになったからなのだろうか。そしてそれを安価に提供で
きるまでに開発してしまう、かつ少年のように面白さを徹底的に追う
素敵なオヤジ達が集まっている組織に脱帽である。
カラオケマイクを話さないオヤジもいるが、僕はギネスを片手に、そ
の後たっぷり1時間、汗をびっしょりとかきながら、テニス、ゴルフ、
野球、ボクシングと、大忙しに遊び、WIIコントローラを離さないオ
ヤジと化していた。遊びたかったけど社長がコントローラーを離して
くれなくて遊べなかったスタッフの皆さん、ごめんね。今度ぜひ我が
家に来てください、一緒に遊ぼうよ。
Amazonから届いた箱を開けて3日後、イースターホリデーとあいまっ
て、僕のWIIスポーツのテニス腕前は600点を超えたぞ。既に相当
汗をかかないとコンピューター相手のゲームは勝てなくなっている。
ハード・ソフト共、芸細かく、バランス良く、感心の連続である。長
い道のりだと思うが、現在300点を越した同居人とともにWIIテニ
スプロの道をいつか究めたいと思う。
満足度120%の購買だった。一家の愛犬になりたいというのが開発
陣の根底に流れているのではあるまいか。どうにも見習わねばなる
まい。

3/12/2008

Agility

我が庵はPutneyの東側に所在している。地下鉄駅まで徒歩3分とい
う場所だが、リスやら鳩やらが我が物顔に徘徊しているあたりがU
Kらしい。
Putneyという街は日本人もそこそこ多いのであるが、どうも社会的
認知度が低いらしく、同居人は友人に、パ゚ディントン駅から何時
間かかるの?と聞かれることも少なくないらしい。それは結構ショッ
クではある。
ここはZone-2なのである。東京でいえば、世田谷区の東の端あたり
であろうか。住めば都というが、僕はかれこれ12年このあたりを
うろちょろしており、なかなかよい街だとますます思いが強くなっ
ている。パディントンからは30分弱で着く街なので、皆さんお立
ち寄り下さいな。
Putneyはテニスで有名なWimbledonの隣町とも言える。そしてすぐ
西にはHeathrow Airportが鎮座している。僕が12年前にPutneyを
選んだのはHeathrow空港に近いというのも一つの要因であったよう
に思う。その後Warterloo駅からパリやブラッセルまでEurostarが
通じたのは大きな幸せでもあったが、昨年この名誉はKings Cross
に譲られてた。おおいに残念に思っている。
いつか書いたが自宅は禁煙となった。従って煙草を吸うときはフラッ
トの周りを徘徊しながら吸うことになる。表で吸っていると人の通
りが多く、大体はgarageへ通じる裏口で吸うことになる。これも以
前書いたが、僕の場合、煙草を吸っている数分間というのは、実に
考えが集中し、まとまる時間でもある。同時に、なにも考えずにリ
ラックスできる時間でもありえる。そんなときは空をぼんやり眺め
る。
裏で煙草をぼんやり吸っていると、上空を通過する飛行機の多いこ
とにいやおう無しに気が付く。PutneyはHeathrow Airportへ着陸す
る飛行機の最終通過地点でもあり、2,3分おきにひっきりなしに
その上空を通過する。
飛行機が飛んでいる姿は美しいとぼんやり思う。767とか777とか、
340だとか、それぞれに美しい。ぼ~っとみていて美しい。面白いの
は、でかい、747等の飛行機は我が庵上空を通過する際、既にスピー
ドが相当落ちている。それに比べて737のような小型は、いまだ元気
にスピードを維持しながらヒースロー空港にアプローチする。これ
だなあと思う。小さい奴らは小回りが利いて元気がいいのだ。

2/23/2008

Work Permit

Work Permit(外国人労働許可)のシカケが変わるという。外国人(
日本人)への交付が難しくなると、当社は困る。すでに当社のニュー
ヨーク店はこのシンプルな’困る’と何年も格闘しているが、今でも
困っている。これがUKに来ると、とても困る。
難しくする理由は明白であろう。EUの描いた労働力自由化の理想像が
、実際には様々な問題を生み出した。これを調整・整理する為である
。やむを得ないだろうなと僕も同意する。
そして同意できないこともある。新しいWPのシカケが、相変わらずUK
に入国したい’個人’の資質や英語力等を審査の対象の大部分として
いるシカケである。その個人を雇う"企業"の資質や国への貢献度は殆ど
対象になっていない。どれだけUKの経済に貢献しているのか、大いに
審査の対象にすべきだと思う。
こういうあたりは昔のイギリス人達は大変賢かった。日本人も明治時
代には良い国際感覚を持っていた。はてはて、見物させていただこう。

Collision

Rokurakuというシカケを自宅にしかけた。日本のTV番組をインターネ
ット経由で予約、ダウンロードし、ロンドンで見ることがかなう。1
時間の番組が要するダウンロード時間は、約倍から3倍程度。世は実
に便利であり、そういう意味での便は毎日毎日進化している。
Rokurakuに恩恵を全面的に受けている同居人に付合って日本のニュー
スを眺めていたら、イージス艦と漁船が衝突したという報道があった。
僕がびっくりしたのは衝突ではない。翌日の日経の1面にこの記事が
とりあげられ、さらにそのコラムが海上自衛隊の側のみを誹謗してい
たことである。更に調べると、いくつかの他紙でも一面扱いであった。
福田総理に報告がいくまで2時間かかったことを非難するコラムも
あったようだ。
遭難した親子は実に気の毒である。しかし、僕には日経の1面に載る
ほどの事件とはとても思えないし、海上自衛隊が一方的に非難される
事故でもないだろうと思う。イージス艦は7千トン、コンパクト
ではあるが、実のある装備を備えた対空(主に)防衛艦である。沈没
した漁船は7トンであったらしい。
300人の乗組員を抱える7千トンのイージス艦が、いかようにして
7トンの漁船を衝突前に認識して回避できなかったに各紙の論点が集
中している。リスク回避制御が機能しなかったか、リスク回避計画の
どこかに問題があったのであろう。これは海上自衛隊が改善しなけら
ばならない。
しかし僕にもっと不可解なのは、7トンという小さな漁船が、いかよ
うにして、その1000倍の船体を持つイージス艦を少なくも10分間
は感ぜずに、まっしぐらに走って行き、かつ左通行を無視して、自己
を真っ二つに割るまで進んだことである。
誤解を招かないように再び言うが、遭難した親子の安否は分かってい
ないが、実に気の毒である。しかし、この事故で仮にイージス艦が核
をもっていたとしても、衝突相手は7トンの漁船であり、総理に3分以
内に届け出ることにどれだけ実があるのか、僕には分からない。
ワンダーランド日本のtyipicalなinstanceと思ったが、実は僕がワン
ダー日本人になってしまったということか。

1/18/2008

NHS

投稿サボって遅くなりましたが今年もよろしくお願いします。クリ
スマスは皆様のんびりされたり、スキーに行かれたりと多少の骨休
みが得られたことを祈ります。
僕が風邪を引いたのは12月中旬であったろうか。ミニ同居人は母
乳なので平気だろうとたかをくくっていたところ、見事にうつして
しまった。更に、大したことはなかんべーと思っていたが、その後
なかなか大したことになってしまい、クリスマスイブの24日、救
急課に運ぶことになり、その後3晩、病院にお世話になった。ミニ
は回復力が凄い。僕はひとつき経った今でも咳がとれない。誰かに
移せば直るのだろうが・・・
病院というところは、これまであまりお世話になったことは無かっ
たが、今はありがたいものだとつくづく思う。NHSというシステ
ムについて、様々な話を聞いたり読んだりしてきたが、僕は現場は
素晴らしいと思う。ナースやミッドワイフ達は、天使のような人た
ちが半分以上を占めるのではなかろうか。特に赤ん坊や子供を扱う
ワードの人たちは、本当に子供が好きで好きでしようがなく、その
仕事を天職として楽しみながら、かつ厳しいプロフェッショナリズ
ムを同居させて仕事をされている。頼もしくクールだなあと思う。
クリスマスも朝も夜中も問わず患者をいつもどおりにケアしてくれ
る。実にありがたい。
こうしてお世話になった病院での、最後の晩の逸話をはずかしなが
ら紹介してみようかいな。
その日僕は夜間前半(24:00まで)、ミニ同居人のケアをする
担当奉行であった。ミニをなんとか寝につかせ、おっしゃあ本でも
読めるか、と思っていたところに、隣のベッドに一家族が入ってき
た。二人部屋の病室の窓側に陣取った新人は若い母親と、これまた
風邪を相当こじらせたミニであだった。カーテン越しに音しか聞こ
えないが、取り巻きの家族が去ってしまうと、若い母親とそのミニ
はなんだか寂しそうだった。ミニの症状はきつそうで、怪獣の赤ん
坊のようなうめき(聞いたことは無いが)を続けていた。
どうも按配がやばくなってきた。隣人の僕に、ナースを呼ぶのはど
うしたらいいのと、カーテンごしに聞いてきたような気がしたが、
オレに聞いているだろうとは思わず黙っていた。そうしたら更にナー
スを呼ぶにはと聞いてきた。ぱっとカーテンを開けてオレにいふと
るのかと聞いたらそうだという。牢名主の気分を味わいつつ、どう
した姉さん、と聞くと、このままでは赤子がやばいという。僕は呼
び方なんぞ知らん。しかし壁に目をやると赤いボタンがある。そう
だ、同居人がミニを生み出した刹那にミッドワイフがこのボタンを
引っ張っていたっけな。”多分これですよ、”と僕はそのボタンを
引っ張ってしまった・・・
3秒はかからなかっただろう。5,6人のナースの男女が血相変え
て当部屋のドアを蹴散らし入ってきた。”どうしたっ!”、若い母
親は相当びっくりして、いやちょいと赤子が調子悪くて・・・隣の
オッサンにナースコールを頼んだだけなんですが・・・
僕はごめんなさいと平に謝った。ナースの一人は相当怖い顔して僕
を睨んでおったなあ。
深夜後半の部は同居人が担当奉行で、僕は仮ベッドに横たわりなが
らあれこれ考えたナ。
- このナースたちは普段どいういう教育受けているのだろうか。あ
の3秒で血相かえた数人がドアを蹴散らすのを目の当りにした。
プロが火事場でどう動くか見させてしまったわけで 大変申し
訳なかったのだが、プロというのは凄いものだなあとただただ
脱帽。
- 教えてもらっていないボタンは押すな(引くな)。しかし、僕は
中途半端にあのボタンを誰かが引くところを見てしまったので、
この事件が起きた。素人に教えてはいけないボタンは、簡単に押
せない(引けない)シカケを施さなあかん。
- もう家帰ってワインのみたい。
今年も元気に行きましょう。