6/23/2007

日経ビジネスという雑誌がある。雑誌という性格上やむを得ないが、
調査の掘下げが弱いなあとぶつぶつ思いつつも、なるべく電車で斜
め読み程度はするようにはしている。今週号では、2枚の顔写真が、
別々の記事であったが、対照的だった。一方は、循環取引を続け千
億円水増し世間に叩かれている会長。この方は自ら起業されたが、
50年目にして躓いた。一昔前の悪徳政治家のような写真が載ってい
る。
他方も随分昔に起業しヒット作を何度も世に出てきた食品会社会長
だが、この方は個人で100社以上の優良株を大量に保持する個人投
資家としても有名だそうな。この投資家は株を売ったり買ったりは
せず長く保持するそうで、短期的な投機はしない。ただし、リーズ
ナブルな配当金をしっかり要求する。取締役会にとっては、頼もし
い資金提供者であり、かつ厳しいお目付け役にもなるだろう。理想
的な投資家ではないだろうか。実に良い顔写真が載っている。
どこぞで読んだか忘れたが、リンカーン大統領がどうしても毛嫌い
する政治家が居た。側近が思いあまって意見すると、顔が気に喰わ
ぬと言う。この人格者である閣下が人を顔で判断するは如何かと諫
言すると、40をこえた男は自分の顔に責任を持たねばならぬと。
日頃考えること、心がけること、行動によって男の顔は30代あたり
で変わるという説に僕も同意する。
成田空港の本屋でなにげ手にした本が大当たりだった。ポンティン
グ氏という英国人写真家が明治時代の日本について、大量の写真と
共に書かれたものである。日露戦争に従軍され、奉天に児玉源太郎
陸軍大将を訪問したり、上村彦之丞海軍中将の自宅を訪問したりと、
ポンポンと僕のヒーロー達が登場する。残念ながら彼らの写真は掲
載されていないが、一枚だけ実に印象深い写真がある。
黒木為楨陸軍大将が、ポンティング氏を右に置いて、側近たちをま
じえた記念撮影である。暫く動けなくなった。なぜなら僕の想像力
で描いていた黒木大将の映像ががあまりに矮小なものだったからで
あった。黒木大将が作り出す空気がそこに嗅がれる。風格などとい
う単語は陳腐にさえ感じられる。写真がモノを言う。そしてまた、
大将の周りを固める士官や、ポンティング氏を含めた英国人従軍者
達の顔達がこれまたすごい。
昔の日本には凄い人がなんにんもいた。明治時代に生まれたかった。

6/09/2007

CSR

5、6月は日系企業で海外赴任や帰国が多く発生する時期でもある。
今年も仲良くなりお世話になった数人がご帰国となり、しばしの別
れとなる。寂しい限りである。確かに国際電話があり、インターネッ
トがあり、電子メールがあり、カメラさえある。連絡手段には事欠
かないのだが、それは一枚のハガキの領域をさほど出ない。時間と
空気の共有が格別なのである。給与改定時のどたばたが落ち着いた
と思ったら、当社でも人事のどたばたが始まり、今年も人材の動き
が激しい初夏となった。
ちょいと前までは、企業は人、金、物といわれたが、今流行のCSR
(企業社会責任)風にいうと、社会、経済、環境だそうな。企業は
法人市民として社会責任をまとうせねばならない。ごもっとも。し
かし環境だなんだというのは、当社のような小企業には大上段すぎ
て白々しいし、上場していないので株主なんてどうでも良い。当社
はヒトの年齢でいえば小学6年生あたり。ぶっちゃけたはなし、悪
いことをしないで、真面目に仕事し、出来るだけ金を儲けて、税金
を毎年国家に納め、残りの金で会社を大きくする、のが当社のCSR
だ。
この際、サービス業の当社に最重要なのはヒトである。そのヒトが
一時期に複数出たり入ったりするのは、なかなか賑やかな風景でも
あるがゾッとする瞬間でもある。最近、こんなちんけ会社にも興味
を持ってCV(履歴書)を送ってくる前途有望なヒトが徐々に増え
てきている。聞けば当社のWebページを読んで応募したという。
確かに昨年相当の時間をかけてリクルートのページを書き込んだ。
これはホントにしんどい作業であり、できれば分散したいが、当面
人事のことは僕に執行責任があるだろう。面白いページには、確実
に反応があるのは分かっているのだから。