5/27/2007

Wage

当社社員の収入は、年一度、職責・職能の分析と課長会による多少
の調整で決定する。ボーナスは貢献度に重みを置いている。2年前
に職能分析システムを手作りし、多少の改良を続けている。今年は
4月からアプレーザルと分析を開始し、今月の給料にそれらの結果
を反映した。
毎度の事だが、不機嫌になる社員が出てくる。その顔は変わる場合
もあるし、毎年決まって機嫌が悪くなる社員もいる。気の毒だとも
多少思うが、こちらも真剣に評定を重ねた結果である。
他方、給料が驚くほど増える社員もいるが、こんなに増えて僕は一
体何をやらかしたんだろう、今後どうすれば良いのだろう、と言っ
てくるものは一人もおらんなア。
僕は過去に3度転職している。一度目は当時の収入の低さとそれが
退職するまで続くという予想が一番の理由のように記憶している。
大企業であったし、当時、給料の交渉というのはありえないものだ
と思っていたので、静かに辞めた。2度目は渡英に伴うものであっ
たが、日本で貰っていた給料を当時のレート、260円位、でそのま
まポンドに直したものを頂戴した。ロンドンの物価とTAXの仕組
みを知る方なら、その悲惨な生活に共に涙してくれるだろう。厳し
い英国生活を開始したのであるが、日本を離れてしかできない経験
はカネには変えられない。3度目は今の会社を興した時であり、資
本金を入れた後、無論、数ヶ月間給料なんぞはない。なので、僕の
社員番号は今でも4番である。昨年ついに僕の給料が上がり、名実
共に会社のトップになった。手前のカネが増えたのも多少嬉しいが、
漸くまともなピラミッド組織になってきたのが嬉しかった。
思えば社員達は常に仕事に頭を使い体を使い、更に評定や年収・残
業代に気を配りながら毎日仕事している。大変なものである。でき
うれば、社員全員の後者の部分を取り除いてやりたいが、なかなか
そうも行かない。会社の成績を冷たく分析しながら毅然といくしか
ないのだ。この時期、マキアヴェッリを読み直すのが習慣になって
きた。

5/19/2007

Golf

5月、6月のロンドンは本来すばらしい。今年はなんだってこんな
に暗く湿っぽい日が続くのか恨めしい。
先週末はJCAのゴルフコンペが開催された。第300回ということで、
300ポンドの旅行バウチャー争奪戦となった。あいにく優勝は逃し
たが、小雨しとしとの中、プレーはそこそこ自己満足であった。
そう、僕はとりあえずゴルフをする。するとはいっても腕前は恥ず
かしくてとてもここで書けるようなものではない。なにしろ平均ス
コアは110は超えるだろう(書くなっ)。そのくせ、なんと15
年程のゴルフ暦を持つのだ。僕自身は割と楽しみながらプレーして
いるのだが、どうにもゴルフが僕のことを好きになってくれないら
しい。従って上達の気配すらない。
玉といのはその形状からしても、本来動的なものではないだろうか。
静止している玉を打つという妙なスポーツはゴルフ以外にそう多く
はないと思う。玉突き位しか思い浮かばないが、これも若い頃、ビー
ルを飲みながら朝まで遊んでいたが芽がでなかった。英国のパブに
は玉突き台が置いているところが多いが、最近はちょっと酔うと空
振りさえする。ちなみに僕は玉をひとつずつ親指で弾くパチンコ台
を知るほどの高齢ではないが、小学生の頃にオハジキという遊びが
あって、あれはオフィシャル(あまり周りに馬鹿にされずに)に男
の子と女の子が一緒に遊べるしろものであったが、いまどきの小学
生は知らないだろうね。
当社の若いモンが数人、ゴルフを始めたと聞いた。英国人の二人は
既にコースを廻っているというから、たいしたもんだ。7,8人は
集まりそうなので、今年中に大コンペ(2組・・・)を開催しても
らおうかと思う。入賞者には当社特製ボールペン等、豪華賞品を提
供しよう。仕事仲間が週末にスポーツに取り組むところを横で見る
のは、お互いなかなかおもしろい。豪放磊落な当社M取締役が決し
てウッドを使わなかったり、Y取締役が意外とパットをきちきちっ
と決めたりする。仕事でもこういう面を見せて欲しかったりする。
とはいえ僕のゴルフも割と慎重だったりする。あっはっは、人のこ
とは言ってられねえや。

5/15/2007

段取り

住めば都という。当社オフィスが現在のCity東のはずれに移転した当
初は、都落ちという単語がちらついたが、やはり住めば都なのである。
レントは安いし、かといってお客様のオフィスに、バスや走りで30
分以内で駆けつけられる。レストランは妙に多く、昼飯の選択には迷
うほどだ。他テナント社員の雪駄・短パン姿も、慣れてしまえばなん
てこたあない。空調もとりあえず冬の間は快適であった。とはいえこ
のオフィスは2009年の秋に契約が切れる。来年の後半に、またまたプ
ロパティー探しを始めなきゃいけないかと思うと気が滅入る。
さて、当社オフィスが面している道路は、先週から通行止めが続いて
いる。昨年越して来たときにも2ヶ月程だろうか、同じく通行止めが
続いていた。例のThames Water社の大々的な水道管の交換工事の一環
であろう。昨年の通行止めは、主水道管の入れ替えであり、今回の工
事は、新しい主水道管から各ビルへの引き込み管の交換のためである。
この段取りは興味深い。工事を2回に分けることにより、総コストを
抑えられるのか、またはサービス停止期間を少なくできるのか。また
は何も考えていなかったのだろうか。
現場には2枚の看板が張られている。これも興味深いので紹介したい。
一枚は、僕のつたない訳によると、「この現場工事は、シティー・オ
ブ・ロンドンの通達による、”静寂な時間”を厳しく考慮している」。
当オフィスは3階にあるが(日本で言う4階)、先週の真昼の騒音は、
相当賑やかなものであった。いったいどいういう通達なのか、もしく
はどういう考慮なんだか。大声で歌いながら作業しているおっさんも
いる。2枚目、「私たちの工事は直ぐに終わりますが、この工事によ
る利便は永い寿命を保つでしょう」。直ぐに終わる、の部分は a
short while と表現されている。既に週末を挟んで一週間経過してい
る。少なくとも今週一杯はかかりそうな現場の進捗状況である。
先週、お客様のシステムが不都合となり、Tolworthまで我が真っ赤な
アウディーで駆けつけた。自宅はPutneyなので、普通に走って20分
かからない程度の距離である。仕事を終えての帰路、A3のRobin Hood
前が大渋滞であった。事故かなあと思つつ、漸くのろのろと信号を通
過すると、2台のでかいトラックが2車線の片側を完全に塞いでいた。
そして無人。誰もいない。A3というのは南西部とロンドンを結ぶ幹線
道路であり、いったい誰がどういう段取りでこういう渋滞を発生させ
るのか、ロンドンではよく見かける光景だが、どうにも腹が立つ。
この国での段取りは一般的に言ってしまえば上記のようなものだが、
火事場には滅法強い。IRAテロの事後や、ダイアナさんの葬式での素
早い段取りや行動力は感動的とさえ言えた。ちょいとずれるが、過去
の戦争でもここ一番という天王山は全て制してきた国である。しかし
普段はシャープさに欠けた、ただの人に戻ってしまうのである。これ
も興味深いと言えばそうでもあろうか。

5/05/2007

Bank Holiday

日本はGWだったが、えげれすの今週末も3連休。小旅行を楽しむ
方も多いだろうと思う。出不精の僕は予定もなし。
僕が最も効率のよい仕事を進められるのは、困ったことに週末の午
前中である。もういいという程たっぷりと睡眠を取った後の朝は、
頭が良く回転する(除:二日酔)。電話もかからないし、メールも
非常に少ない。自分のやるべき仕事のみに集中できる邪魔なしの数
時間は仕事に最適なのである。当社は物理的な紙を極力嫌うオペレー
ションを行っており、外部からやってくる全ての書類はスキャンさ
れ、サーバーに格納する。なので、自宅からインターネットを経由
してオフィスのほぼ全てのリソースへアクセスが可能であり、自宅
から出来ない仕事はまず存在しない。とはいえ、これまで家族サー
ビスの必要性がなかったから、とは言える。言えるどころか、重要
な問題であろう。しかし僕は社長という機能であり、静かな環境で
一人キーボードと相談しながら週末の朝にモノを考えることを止め
るわけにはいかない。家人には良く良く言って聞かせ、そして書斎
が作れる程度のフラットに移動する必要があるかもしれない。
こうした快適なリモート仕事環境をお望みの方はエクスレイヤまで
ご一報下さい。LibのBlog を読んだと言っていただければ、1ポン
ド引きとさせていただきます。
先月の赤字にて精神的にせこくなっている。赤字月は毎年何度かあ
るし嫌なものだが、同時にこれは確実に精神引き締め剤となる。赤
字になったからどうしようか、というのは順序が間違っているし、
時すでに遅しではあるが、自然、モノをあれこれ考えるトリガーに
なる。今朝もひとつ案が浮かんだ。これは速インプリしようと思う。
部課長達の嫌な顔も浮かぶが。
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Japan Communication Association (JCA)というソサエティーに参
加させていただいているが、年に2度セミナーが開かれる。今回は
Herbert Smith (弁護士事務所)の方々に、ここ20年の欧州の通
信事情と今後を講義していただいた。さすがはロイヤー、論旨明晰、
大変面白かったし自分の勉強不足が露呈した。内容もさることなが
ら、女性弁護士の発音には、とろけてしまった。出だし聞きとりに
くいなと思ったが、直ぐに慣れ、そして目を瞑るとそこにはサッチ
ャーさんおられてが演説しているようだった。時と場合によってこ
んな発音をしてみたいものだと思ったが、函館の百姓には3代かか
っても無理だろう。