11/25/2006

今朝は目覚めたら重い二日酔いの11時だった。昨夜はNYからの
友人を10名程で歓迎接待し、その後2次会に行ったことは覚えて
いる。Dover Street にある、その名も Dover Street Restaurant
というクラブに至るまでの経緯は実はよく覚えていないが、昔々何
度か行ったことがあった。もうつぶれているかもしれない、なんて
ことは酔っ払いには通用せず、とにかく勢いでTaxiに分乗し
Dover Streetにて待ち合わせ。分乗とはいえ、酔い加減にみな恐れ
をなしていたのだろうか、しんがりの僕はなぜか一人でさびしく
Taxiに乗っていた。店はちゃんとあった。車を止めて皆を集め入場
料を支払うと、すでにライブの音楽が聞こえてきた。ソウルではな
いかいな。
いやー、ライブのソウル、もうたまらん。バーマンの人数が少なく
てドリンクなかなか手に入らない。既に夜は更けすぎていて、結局
3曲程でバンドは終わってしまったが、久しぶりのライブとダンス、
15分ほどソウルにノリまくることが叶った。
こんな場には、もう同年代の友人とは行けないのが悲しい。昨日は
テニス仲間が主な集まりで、僕を除けばみな若い。テニスというの
は夜中でもありがたいのだ。家に着いたら3時だった。
さて、今週もミラノに出張があった。このプロジェクトも大詰めと
なり12月中旬には終了の予定。そういえば今年もあっというまに
師走入りだ。この1年間、僕の仕事には何点あげられるだろうかと
思うと、あまり良い点数はでてこない。多少売上げが増えたようだ
が、予想外からのものであり、もともとターゲットにしたマーケッ
トからのものは極少ない。この課題はもう2年続いており、いい加
減にしないと停滞感で社員のやる気が腐っちゃう。知恵を出さねば。
ミラノではまた蚊に2箇所やられた。いや、実はこの解釈でもめて
いる。こんな冬に蚊がいるはずがないという説、ダニだという説、
シーフード食べたのでアレルギーやら、諸説入り乱れているが、僕
は蚊だと思っている。まだ痒い。女性にはだめだが、どうも僕は蚊
には良くモテる。アムステルダムなんぞに行けば、必ず数箇所刺さ
れて帰ってくる。なにか良い対抗策、誰蚊ご存知でしたら教えてつ
かあさい。

11/18/2006

V

昼飯のテイクアウェイを買うのにキューに並んだ。偶然前のカップ
ルが日本人だった。旅の人っぽくオーダーするのに苦戦しつつもな
んとか通じていた、がんばれ。最後にコーヒーを二つ注文していた
が、片方がブラックで片方がホワイトで計2個というのがなかなか
通じなかった。そろそろやばいかなあと思い始めた、出しちゃいか
ん、いかんぞ。そして店員が、計2つですねと聞いたその刹那、彼
氏からスッとVサインが自然に、そしてやはり甲が店員に向かって
登場してしまった。写真にうつるときはピースで手のひらが自然に
向こうに向くのに、数を表すときは、半数以上の方は甲が向こうに
向いてしまうように思う。僕もそうだったので、それは人様を侮辱
するときに使うものだと教えてもらった時には驚いた。
友人とCityのパブで飲んだ後、Waterlooまで一緒の電車で帰って駅
の階段を上がっていたら、おいYosh、バタバタ音たてちゃ駄目じゃ
ないか、階段はつま先で上るんもんだと親に教えてもらってないの
か、ときた。
(普通の)男同士が体を触れ合うのは握手しかない。親愛をこめて
肩を叩いたり揉んだりすると、あとであいつはホ*か真顔で聞かれ
る。レストランで全員のプレートが揃うまで待てとか、給仕の目を
見てサンキューと言えとか、こうしたルールというか慣習というか、
もっと一括りに言うと文化というのは、異国人とっては教えてもら
わないと気付けないことが多い。俺は異国人なんだと無視するオプ
ションもあるかもしれないが、少なくとも他人に不快感を与えるこ
とは避けるべきであり、最低線は郷に従うべきであろう。
逆に、君ら親に教えてもらっていないのかと言いたくなることも多
々ある。電車で自然に席を譲る優雅さを持つ割には、乗り込む時に
は全く正反対。多くの乗客が降りようとしているドア付近に陣取っ
た不動明王。君は墓場まで新聞持って行く気か、こんなに混んでる
んだから我慢しろよ。僕の場合、朝の通勤電車に乗るという行為は
週に10回(含む乗換え)発生する。東京はストレスフルな通勤で
国際的に有名だが、僕はロンドンの方が実は酷いと思う。
こうした事例を英国人の友人に示すと、ほとんどが同意して理解を
示してくれる。そして僕も、階段はつま先で上ったほうがベターだ
と自然に理解する。互いに気付けなかっただけの事であり、教えて
もらえばすとんと腑に落ちることが多々存在する。
教育なんだと思う。文化的ハーフ人は天に与えられたなにかの縁が
あってそうなった。難しいことはできないが、文化の枠を超えて世
界的に不快感を減少せしめ、より住みやすくするという草の根程度
の行動に出る義務を負っているのかもしれない。これだけ広まった
インターネットという文明は、超文化教育のひとつのキーになるだ
ろう。

11/11/2006

売上げ倍増計画 2

いやはやインターネットというの有難いもので、プライベート・ス
タイリストが現れた。本当です。素敵なお姉さんが僕のショッピン
グに2時間お付き合してくれた。というか僕が彼女の後ろをちょろ
ちょろついていったというのが実情だが。前述したが、そもそもシ
ョッピングは大の苦手、一人でスーツを買ったりするの実に苦痛だ
ったが、素敵なお姉さんと一緒となると楽しささえ感じるんだなあ
これが。
初冬のコート目当てだったが、こんな機会は死ぬまでに何度もない
とだろうと思い、結局スーツ2着、シャツ数枚、タイ数個を選んで
もらった。一着目のスーツはダークなもので青系のストライプ、こ
れはすんなりとOKした。問題は2着目、お姉さんの選択は薄い薄
いグレーのチェック、しかも5cmおきに赤というかピンクというか
細いストライプが入ったもの。そして店員のお洒落なオジサンも一
緒になってコーディネートに汗かいてくれた結果、ピンクのシャツ
とピンクのタイを合わせた。ひゃあ、これ吉田のオッサンが本当に
着るの?
試着してみた。股上が短い。そういうデザインなんだという。街で
見かける若い女の子のへそ下まで出したジーンズをはいた気分でど
うも違和感が強い。こまった。しかし、お姉さんも店員さんも口を
揃えて、良い良い言う。このぐらい挑戦しなさいと言う。言うか、
そうか、受けて立とうじゃねえか、OKだした。
2週間後、アメンドが終わって取りに行った。自宅に戻ってあれこ
れ眺めていたが、どうしても例の2着目は臆してしまう。このピン
ク・セットをいきなり着て仕事に行ったら社員は卒倒し仕事になら
ず、お客さんは契約解除に走るだろう。そこで経営者の癖で早速ロ
ジカルな作戦を練って行動に出た。
1. 新ダークスーツに旧白シャツそして新ピンク・タイで序盤戦の
様子を伺う。
-> 誰も卒倒せず、コメント皆無。よしよし。
2. 新ダークスーツに新ピンクシャツそして旧赤系のタイでジャブ。
-> この新ピンクあまり薄くないというか結構まぶしいので、お
客さんの視線が胸に来るのを数回感じたが契約は続いた。社
員ではT課長だけが、濃いピンクですね~とコメントした。
3. 新薄グレースーツに旧白シャツ、新ピンクタイでそろそろしめ
にかかる
-> T課長がみるや、吉田さんものすごいスーツきてますねときた。
でもいいチェックですね、とも言ってくれた。
4. 総仕上げ。新ピンク・セット。
-> 反応なし。作戦成功したかもしれない。夜、リボンで飯くって
たらじゅんこさんが、吉田さんはいつも素敵ですねえと言っ
てくれた。いや2週間前からちっとは素敵になったんです、
と正直に顛末を説明した。そしたら色々更にアドバイスして
くれた。女性はかくも細かく見ているんだなあと感心した。
なにを馬鹿なことに時間割いているんだとのお叱りが聞こえてくる
が、このあたりは僕は実に保守的というか小心者であり、このプチ
改革にご協力してくれたK嬢とAquascutumの親切なおじさんの挑戦
に深謝。

11/04/2006

Janglish

日系企業かと聞かれると、はっきりした答えができずに窮する。日
本人社員が6割、取締役は3/4が日本人なので、日系といえばそうな
のだろうか。しかし日本に大株主(親会社のような)がいるかとい
うと、そうではない。8割以上は英国内の資本で作られた普通の会
社組織なので、僕としては実は純英国企業だと思っているが、単に
それが理由で仕事がもらえなくなるのも癪なので、日系のお客様に
はハーフぐらいにしてお伝えしている。嘘にはならないと思う。
英国人の新入社員などに、あなたはなに人かと聞かれると、こちら
もちょっと答えに窮する。無論日本人である。だけれども、社会人
としての期間でいうと、圧倒的に英国での生活が長く、日本での一
般的な仕事の仕方は忘れてしまっているかもしれない。税金も日本
政府には一切払っておらず、英国には十数年間あきれるぐらい払い
続けてきた。西洋かぶれなのだろうかと自問しても、どうもこの言
葉自体、インターネット時代の人たちを説明するには古すぎて使い
物にならないように思う。こちらもハーフぐらいに感じている。
生まれたときは純日本人で、オッサンになってからハーフというの
はなかなかおかしい。無論外面的なことではなく、考え方とか動き
方に自然に出るあたりのことである。
ビジネス等に代表される文明というものは、すでにボーダーレス。
多国籍企業なんて単語はもうすぐ死語になるだろう。そんなこと言
ったらこの極小当社でさえ多国籍企業だ。一般人でも世界中のオン
ライン・ショップから、クレジットカードで購買が可能になった。
他方、人というのは、自分と限られた仲間が持っている固有なもの
に包まれることに大きな安心感を持ちこれを死守する。これが文化
と呼ばれるらしい。文明がどんどんボーダーレスで世界的に共通し
て広がると同時に、文化はどんどん研ぎ澄まされて鋭くなっていく
のかもしれない。そしていまどきの言葉でいうと切れたときに戦争
やテロが発生する。
オッサン(オバサン)・ハーフの効用は、このあたりのバランス感
覚に表れるかもしれない。彼・彼女らは、複数の文化を心の中に維
持することに、さほど抵抗を覚えないだろう。お叱り覚悟で言って
しまえば、割といい加減な性格の人が多いかもしれない。いい加減
なので、あれは嫌、これは駄目、という判断すら面倒、とりあえず、
まあいいじゃねえか、ということで全部取り込んでしまう。そんな
ことをしているうちに、一方の文化が頭の中で暴走しそうになると、
他方の文化がそれを適度に抑制する回路が形成されるのかもしれな
い。現地の友人ができやすいのも効用のひとつ。
ところで、僕が不思議に思っていることに、日本語がぺらぺらの英
国人が現れたときのことがある。これはどうにも説明がつかないの
だが、相手が日本語めちゃくちゃ巧く、日本語で話し始めて全く会
話も楽しいのだが、次第に時間がたってくるとどうしてもこう、首
根っこがぬるっとしてきて、駄目なんだなあ。なので、結局、相手
には気の毒なのだが、最後は下手な英語で無理やり喋っている。こ
れはどういう現象なのだろうか、どうにも分からん。アジア顔が英
語喋っているのは自然なんだけど、英国顔がアジア語を話している
のがどうにも2006年の時点では珍しすぎということなのだろうか、
単に慣れの問題なのだろうか。誰か説明してやってつかあさい。